地域医療ジャーナル1月号
私が発行責任者として執筆編集している、ウェブマガジン「地域医療ジャーナル」では、2016年1月号(2015年12月末発行予定)で特集企画を掲載いたします。
テーマは「10年後の医療、100年後の医療」としました。
記者の方々からどのような原稿が集まるのか、ちょっと期待しています。
ブログでご紹介もいただいております。
ぜひとも、ご一読を。
地域医療ジャーナルはこちら。
購読は有料で読者登録が必要です。月額250円(税別)かかります。左上の「読者登録する」ボタンからどうぞ。
よろしくお願いします。
10年前にさかのぼる
特集記事を執筆するにあたって、10年という月日について思いを馳せてみました。
10年前、私は何をやっていたのか?どんな医療に従事していたのか?どんな時代だったのか?
10年前の自分が、今の姿を予測できていたかどうか、と言われると、甚だ疑問です。まあ、難しいことなのでしょう。
こうなったらいいな、という姿は、自分なりにおぼろげながら持っていたとは思います。しかし、未来を想像する上で「当時の状況」という制約から逃れることはできません。
10年後どころか、1年後や1か月後であっても、未来の予測というものは難しいでしょう。「明日だって何が起きるかわからない」というコトバも、2011年の東日本大震災の後には現実味を帯びてきたように思えます。
10年前をふりかえって
私にとっての10年前といえば、へき地医療や地域医療の実践・教育を自らの専門分野にしていこうと、地域医療現場からあえて少し距離を置いた時期に重なります。
「家庭医療」という概念が、まだあまり理解されていなかった時代。2004年から導入された新医師臨床研修制度のあおりを受けて、全国の地域医療現場で大量の医師不足が発生し、地域医療崩壊が社会問題化しました。
医師が少なければ、守備範囲を広げればいい。
これまでの地域医療の経験からそう確信し、医師育成に関わっていました。
しかし、現場から「そんな悠長に家庭医を育成している場合か、早く手伝いに来い」という大きな声に押され、あちこちの病院の診療支援に同時に駆り出されるようになりました。それは大変な仕事でしたが、地域に直接貢献できる充実した仕事となりました。
想定外の未来
へき地医療・地域医療の実践と教育。10年前の自分が考える未来は、その延長線上にあったように思います。
ところが、あれから10年。同じ地域医療とはいえ、都市部の医療に関わることになろうとは、10年前の自分には想定できませんでした。
さらに、へき地医療・地域医療の実践そのものが、高齢化が急速に進む都市部で必要とされようとは、10年前には想定できていませんでした。
きっとこれからも、想定外の未来が待ち構えていることでしょう。それを楽しめるくらいの余裕を持って、これからの取り組んでいきたいと思います。