今回は論文ではなく、書評の紹介です。PDFにて閲覧可能となっています。
日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉さんが、みなさんご存知のあの本の書評を学会誌に書かれています。
まだ読んでいない人は、ぜひどうぞ。
書評から一部引用します。
患者に対峙する医師自身も、患者と同じようにリテラシーを形成しており、実はどれが正しいかという精緻な検証をしているものは少ないのではないかと思う。飛躍するが、精緻な検証と実体験のプロセスを経ていないために、医師自身の思想性はかなり脆弱になっているのではないだろうか。
本学会におけるプライマリ・ケアの議論は、テクニカルなものも大切ではあるが、このようなものが中心にあるべきだと再確認した。本書をベースに学会内で議論が進み、それが日本の医療に落ち着きを取り戻し、日本に住むすべての生活者の幸せにたどり着くことを夢見ている。
学会の学術活動にやや呆れがちで、少し学会から距離を置くつもりでいたところ、この書評を目にしました。
自らをどう定位するかや、医療技術をどのように高めていくかということは、重要かもしれませんが、枝葉末節にすぎないように感じます。
精緻な検証なしに繰り返されている医療行為。それはそのままでいいのでしょうか。
地域医療の根幹部分へ降りていく時が、近づいています。気をとりなおして、もう少し学会につき合っていこうと思います。
*1:丸山泉. 書評「健康第一」は間違っている. 日本プライマリ・ケア連合学会誌 2014;37(4):377