痛風発作が起きたときは尿酸値は下げない、アロプリノールは使わない、が鉄則となっています。アルプリノールを使うことで、発作が誘発される懸念があることが報告されていたからです。
しかし、その「都市伝説」は本当なのか・・・?検証した研究が2012年に発表されています。
Taylor TH, Mecchella JN, Larson RJ, Kerin KD, Mackenzie TA. Initiation ofallopurinol at first medical contact for acute attacks of gout: a randomizedclinical trial. Am J Med. 2012 Nov;125(11):1126-1134.e7. doi:10.1016/j.amjmed.2012.05.025. PubMed PMID: 23098865.
P▶ 痛風発作時に
E▶ 鎮痛剤、コルヒチンに加えてアロプリノール300mgを投与すると
C▶ 鎮痛剤、コルヒチンに加えてプラセボを投与するのに比べて
O▶ 1-10日目の痛み(VAS)および30日目までの再燃
T▶ 治療、ランダム化比較試験
《結果》※※※
脱落例を除く51例について(アルプリノール26、プラセボ25)
10日目までのVASでは、すべての日において有意差を認めなかった。
差: −0.16 cm(10cmのうち), 95% CI −0.50 to 0.83
30日目までの再燃についても、
アルプリノール群 2/26 (7.7%)
プラセボ群 3/25 (12.0%)
と有意差がみられなかった。
痛み・発作に差がない
50例ほどの小規模研究ですが、短期的な痛み、再発については差がなかった、という結果でした。 57例のうち6例が脱落していることには注意が必要です。
序文によると、
Evidence in support of delayed and stepped increase of allopurinoltreatment is poor and supported by 2 studies describing case series. No study has evaluated the initiation of allopurinolduring attacks in patients with primary gout as they present in primary care settings, concomitantly treated with both indomethacin and colchicine.
これまであまり検討されてこなかった、まさに盲点を突くような研究でしょうか。
今後、さらなる追試が行われるのか、議論を注目していきたいと思います。
※記事内容は論文を紹介するものであり、一定の学術的な見解や治療指針を示すものではありません。詳細は原著論文をご参照ください。