さらに、本の紹介です。
「現象学の医療への活用(現象学的医療)」について関心があり、ひとつのテーマとしてきました。臨床現場で現象学をどのように生かすのか、臨床医の視点で記述された本をよみましたので、ご紹介します。
フッサールとヴィトゲンシュタインを手がかりに、不確実な状況下での意思決定について具体的な事例を挙げながら説明されている。現象学をどう医療に生かすか、ガイドとなる一冊。
現象学的思考がいかに臨床現場で生かされるのか、著者である行岡さんの救急医療の経験から、具体的に記述されています。
主観と客観の一致(主客の一致)や要素還元主義に基づくデカルト的真理観に裏付けられた近代科学によって、「正しい判断」へと導くのが医学である、という理解が社会に浸透してきました。そこに根本的な問題が潜んでいる、と著者は指摘しています。
医療現場における具体的方法論についてもいくつか触れられています。詳しくは、ぜひ本書をご覧ください。
現象学的医療には、さらなる方法論の確立が必要であり、それが可能な分野ではないかと思います。また、著者も指摘するとおり、「21世紀の社会を考える手がかり」として、医療という範疇にとどまらず、熟慮していく必要があるのではないかと感じます。
これからも追求していきたいと思います。
正しい判断から正しいと確信する判断へ
主観と客観の一致(主客の一致)や要素還元主義に基づくデカルト的真理観に裏付けられた近代科学によって、「正しい判断」へと導くのが医学である、という理解が社会に浸透してきました。そこに根本的な問題が潜んでいる、と著者は指摘しています。
二〇世紀医療の最大の問題は、医療界そして社会もデカルト的真理観による「正しい判断」を、医療現場で深く掘り下げ考えることなく曖昧なままに使用しつづけたことにあるそして、お互いに「正しい判断」は不可能であることを承知し、ともに「正しいと確信する判断」を目指すことができるかどうかが問われている、と指摘します。
医療現場における具体的方法論についてもいくつか触れられています。詳しくは、ぜひ本書をご覧ください。
現象学的医療には、さらなる方法論の確立が必要であり、それが可能な分野ではないかと思います。また、著者も指摘するとおり、「21世紀の社会を考える手がかり」として、医療という範疇にとどまらず、熟慮していく必要があるのではないかと感じます。
これからも追求していきたいと思います。