認知症に関する過去の記事はこちらをぜひご覧ください。
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2012年 11月に平成23年の患者調査が公表されています。詳細はこちらをご覧ください。
厚生労働省
平成23年(2011)患者調査の概況
注目のアルツハイマー病の統計を更新し、作図してみました。今回は、昭和59年から作図してみましたが、これ以前も報告はほぼ0です。
アルツハイマー病は平成20年よりさらに増加していました。平成8年からの15年で21.5倍に急増しています。いくら高齢化社会とはいえ、21.5倍の増加は説明できないのではないでしょうか?
やはり、啓発活動の効果といってよいのでしょうか。
それでは、これまで社会の啓発が進んでいなかったため、このようにアルツハイマーが急増している、ということでしょうか?
これまで通院していても診断できなかった事例が多数存在し、診断の不備を認める、ということになりますが、よろしいでしょうか?
つい最近まで、「日本は海外とは違い脳血管性痴呆が多い」ということになっていましたが、「前言撤回」ということでよろしいでしょうか?
もしそうであるなら、なぜそのようなことが起きたのか、検証が必要でしょう。本来はアルツハイマー病だったのに、なぜ脳血管性と判断したのか?「 診断技術の進歩」で片付けてよいのか?
厚生労働省は、増えているから対策を立てましょう、という短絡的な思考に陥ることなく、このような現象が起きているのはなぜか、その問題構造に迫るよう真摯に検討していただくことを希望します。
また、その問題構造を分析し、知見を後世の医療に生かすことが、医療従事者に課せられた役目なのかもしれません。