喫煙でアルツハイマー1.79倍

 

 アルツハイマーは10年で10倍に - 地域医療日誌 by COMETにつづきます。


  喫煙は認知症の危険因子であることは有名です。観察研究を統合したメタ分析がありますのでご紹介します。

Anstey KJ, et al. Smoking as a risk factor for dementia and cognitive decline: a meta-analysis of prospective studies. Am J Epidemiol. 2007 Aug 15;166(4):367-78. PubMed PMID: 17573335.
■喫煙は
■喫煙しない人と比べて
■認知症発症の予後因子となるか
■予後、メタ分析

■結果(※※) 12か月以上追跡した19研究の統合

発症の相対危険[95%信頼区間]
アルツハイマー病 1.79 [1.43~2.23]
血管性認知症 1.78 [1.28~2.47]
すべての認知症 1.27 [1.02~1.60]

  アルツハイマー病は非喫煙者に比べて喫煙者では1.79倍発症が多いという結果です。脳血管障害も多くなるせいか、血管性認知症も同様に多くなっています。

肥満でも1.74倍

  他にも認知症の危険因子はいくつか知られていますので、ご紹介します。

Whitmer RA, et al. Obesity in middle age and future risk of dementia: a 27 year longitudinal population based study. BMJ. 2005 Jun 11;330(7504):1360. PubMed PMID:15863436
27年間のコホート研究
BMI 30以上の肥満では、認知症発症の相対危険は1.74 [1.34~2.26]
BMI 25~29.9までの過体重では、認知症の相対危険は1.35 [1.14~1.60]

  肥満でも1.74倍発症が多いという結果になっています。喫煙者の肥満は要注意かもしれません。

  他に、閉経前の卵巣摘出術を受けている(相対危険 1.46)、乳がんの化学療法を受けている(相対危険 1.20)、などが認知症の危険因子として報告されています。

  しかし、10年で10倍になるような要因とは思えませんね。

 
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