中絶天国と言われる日本。最近の人工妊娠中絶事情はどうなっているのでしょうか?
妊娠中絶統計は、厚生労働省の「衛生行政報告例」にあります。平成21年度までが公表されています。
厚生労働省 平成21年度衛生行政報告例結果の概況
5. 母体保護関係 (PDFダウンロードできます。)
平成 21年度の人工妊娠中絶件数は 226,878件で、前年度に比べ 15,448件(6.4%)減少して いる。
「20 歳未満」について各歳でみると、「19 歳」7,931件が最も多く、次いで「18 歳」5,683件となっている。
人工妊娠中絶実施率(15~49 歳の女子人口千対)は8.3となっており、年齢階級別にみると、「20~24 歳」15.3、「25~29 歳」13.2 となっている。「20 歳未満」について各歳でみると、 「19 歳」が 12.9、「18 歳」が 9.6 となっている。
年間22万件の中絶
徐々に減少傾向にあるものの、いまだにたくさんの人工妊娠中絶が行われているのが実態です。もちろん、この中にはやむにやまれないものもあるでしょう。
本来、堕胎は犯罪ですが、人工妊娠中絶は「母体の健康を著しく害するおそれのある場合等に、特別な医師(指定医師)が本人等の同意を得た上で中絶を行うことができる」と定める優生保護法によって、堕胎の罪に罰せられることはありません。
しかし、「できたらおろせばいい」という安易な考えも抱きやすい構造になっているのかもしれません。
もっと早く知っていれば・・・
妊娠や性交渉に対する意識や性教育の問題といわれていますが、それは実態をとらえているのでしょうか。ひとつの本をご紹介します。
遠見 才希子
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300校以上の中学・高校で、紙芝居を使って等身大の性教育の授業を行ってきた医大生の本です。
正しい知識を得る機会を逃し、寂しさや孤独から逃れようとして性交渉に走る中高生の姿が浮き彫りになっています。
もちろんこれは女性だけの問題ではありません。いやむしろ男性側が抱える問題のほうが深刻かもしれません。
中高生、中高生をもつ親、そして中高生に関わるすべての人が、最低限の知識をもつために、ぜひ一読をお薦めします。