胃酸分泌抑制薬オメプラゾールと糖吸収抑制薬アカルボースのスイッチOTCが検討されているようです。関係学会がこの動きに対して反対しているようです。
CBニュースから。
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オメプラゾールなどOTC化に医学会が反対
胃酸分泌抑制薬オメプラゾール(アストラゼネカ/田辺三菱製薬のオメプラール/オメプラゾンなど)、糖吸収抑制薬アカルボース(バイエル薬品のグルコバイなど)のスイッチOTC(医療用から一般用への転用)について関係医学会が反対していることが分かった。厚生労働省が学会の意見書を8月15日に公表した。
(中略)
公表された意見書によると、日本消化器病学会と日本消化器内視鏡学会は、オメプラゾールのスイッチOTCに対する反対理由として、
▽誤嚥性肺炎の頻度悪化が危惧(きぐ)され、肝障害がやや多い
▽骨の脆弱(ぜいじゃく)化が懸念されるなど、プロトンポンプ阻害薬(PPI)長期投与の安全性が確立していないために、医師の責任の下での内服が必須
▽OTCとなっているH2ブロッカーと比較して、さらに胃酸分泌抑制作用が強力であることから、消化性潰瘍や胃がんなどの重大な疾病をマスクする危険性が大きい
▽数種類あるPPIの中で1種類のみOTCとすることについて科学的根拠が不明
-を挙げている。
(一部抜粋)
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プロトンポンプ阻害薬の弱点が明確に説明されています。
学会からの意見書を厚生労働省が公表しているようです。
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厚生労働省
医療用医薬品の有効成分のうち一般用医薬品としても利用可能と考えられる候補成分について(医学会等からの御意見)
オメプラゾール(医療用販売名 オメプラゾン錠、オメプラール錠)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001asyw-img/2r9852000001at57.pdf [PDF]
これまで厚生労働省医薬食品局審査管理課長宛に医学関係学会から寄せられた医療用医 薬品の有効成分の一般用医薬品への転用についての意見に対して、その対策等につき日本薬学会としての考え方を以下に記す。
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日本薬学会がスイッチOTCを選定し、関係医学会が反対しているという構図ですね。
厚生労働省によると、他に検討されているのは以下のとおり。
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コレスチミド* 内服 コレステロール低下薬
アカルボース* 内服 糖吸収抑制薬
オメプラゾール* 内服 胃酸分泌抑制薬
メペンゾラート臭化物 内服 下部消化管痛改善薬
ポリカルボフィルカルシウム 内服 便通異常改善薬
プロピベリン塩酸塩 内服 排尿改善薬
セルニチンポーレンエキス 内服 排尿改善薬
ピランテルパモ酸塩* 内服 ぎょう虫駆除薬
ヒアルロン酸ナトリウム* 点眼 涙液補助用点眼薬
メナテトレノン 内服 骨粗鬆症用薬
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今後の行方に注目ですね。