2歳未満にはかぜ薬を使用しない

 

 

要望書

 2008年にFDA勧告について紹介した、かぜ薬には効果がない:FDAが勧告 - 地域医療日誌 by COMETのフォロー記事です。

 薬害オンブズパーソン会議では、以下のような要望書を厚生労働大臣に提出しています。

薬害オンブズパーソン会議
OTC小児用かぜ薬等に関する要望書提出 2010-11-17

「OTC小児用かぜ薬等に関する要望書」提出
~6歳未満の小児への使用を禁止すべき~

小児(15歳未満)への用法があるOTCかぜ薬等(配合かぜ薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬を含む)について、平成22年11月17日、以下の3点を趣旨とする要望書を、厚生労働大臣に対して提出しました。

<要望の趣旨>

1 OTC小児用かぜ薬等について、6歳未満への使用を禁止されたい。
2 OTC小児用かぜ薬等の有効性と安全性に関する情報を、販売にあたる薬剤師及び登録販売者に対して十分に認知させ、積極的かつ適切に説明がなされるよう徹底されたい。
3 OTC小児用かぜ薬等のリスク分類を、第1類医薬品へ変更されたい。

 

 市販薬のかぜ薬については、治癒したり有病期間を短くすることはないことが明らかになっています。まれに重篤な副作用もみられることから、安全性の観点から諸外国では2歳もしくは6歳未満の使用を制限しています。

 要望書では、販売実態調査も行われています。

 日本の対応は・・・まだ動きはないようですね。

(2010.12.24)

 

説明の徹底を

 厚生労働省から都道府県に通知が出たようです。薬事日報からの引用です。

【厚労省】小児用OTCかぜ薬で通知‐適正使用へ向け説明の徹底求める

厚生労働省は、小児用の用法を有するOTC薬のかぜ薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬の適正使用に向け、使用者の年齢を確認するなど、年齢に応じた情報提供を徹底するよう求める通知を、都道府県に発出した。
通知では、小児用かぜ薬などの販売、授与に当たっては、購入者や配置先に対し、▽2歳未満の乳幼児に使用する場合は、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させる▽15歳未満の小児の場合、保護者の指導監督の下に服用させる――など、年齢に応じて必要な情報提供を行うよう求めている。
また、購入者や配置先に対する適正使用の注意喚起では、補助的な情報資材を用いるなど、分かりやすい説明に努めることとしている。

 

 2歳以上についても2歳未満同様の注意が必要と思われます。

 かぜ薬には偽薬と比べて治癒を早める効果がないことが科学的に証明されていること、かぜ薬で過量投与などによる死亡例が出ていること、などについての説明は十分になされているのでしょうか。

 市販薬だけではなく処方薬についても、効果が証明されているかせ薬はありません。

 効果がないばかりでなく害があるかぜ薬、毎日全国で大量に使用されています。これはもはや科学とは言えないのではないでしょうか。

 効果がない薬は処方しなければいい。医師にその裁量と責任が問われています。

 

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