医療は誰のものか(2)

 

  ひさびさに体調不良に苦しめられています。副鼻腔炎になっているようです。少しブログを書く元気が出てきました。

  医療は誰のものか - 地域医療日誌 by COMETにつづきます。


  映画「ロレンツォのオイル」を観ました。

  副腎白質ジストロフィーという難病におかされていく息子をなんとかしようと懸命に看病する母親。新しい治療法を調べ、なんとか試してみようとする父親。医療や介護現場でまきおこる問題のいくつかが象徴的に描かれています。
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難病情報センター
副腎白質ジストロフィー
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  藁をもすがる思いで新しい治療を試してみたい父親に、科学的に安全性が担保されていないと投与を拒否する医者。

  24時間介護しつづけながら、やさしい声をかけてあげなかったり、本を読んであげても感情がこもっていないと訪問看護師を次々解雇していく母親。

  実話に基づくといわれるストーリーにその切実さや緊迫感が伝わってきます。
 
  医療を開かれたものにするためには、当事者の経験から得られた知を共有するだけではなく、共に学んでいくという姿勢が問われています。


  医療従事者としては、この映画に描かれているような構造がよく現場でおこりうること、そしてこのような実態は患者さんからは話されずに潜んでいることを肝に命じながら、診療に当たりたいと思います。
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