熱性けいれんの予防に解熱剤を使ったほうがよいのか?
これには諸説あるようですが、解熱剤は使わないほうがよい、という理由としては、解熱剤を使って急激に解熱することがよくない、坐薬を併用するとけいれんを起こした時にダイアップが効きにくくなる、などがあるようです。
実際にはどうなのか、調べてみることにしました。
古い論文を辿らなければと覚悟していましたが、なんと!2009年の論文です。
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Strengell T, Uhari M, Tarkka R, Uusimaa J, Alen R, Lautala P, Rantala H. Antipyretic agents for preventing recurrences of febrile seizures: randomized controlled trial. Arch Pediatr Adolesc Med. 2009 Sep;163(9):799-804. PubMed PMID:19736332.
■いちど熱性けいれんをおこした小児に
■発熱時に解熱剤(diclofenac坐薬、ibuprofen、acetaminophen)を使用すると
■プラセボに比べて
■熱性けいれんの再発は少なくなるか
■治療(予防)、ランダム化比較試験
■結果
231人のうち発熱エピソードは191人815回、熱性けいれんの再発は54人(23.4%)89回あり。
熱性けいれんの再発
解熱剤:46/197(23.4%)
プラセボ:8/34(23.5%)
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プラセボと同等
解熱剤使用群は38℃以上でボルタレン坐薬、その後に経口解熱剤を8時間毎に内服する、というように、がっちり解熱させています。
しかし、プラセボと比べて、熱性けいれんの再発はほぼ同等でした。
熱性けいれんの再発は、解熱剤を使用したかどうかには関係がなく、体温の高さに関連がみられたようです。高熱ではおこりやすいので注意が必要、ということでしょうか。