英国のNHSトラスト(1) - 地域医療日誌 by COMETにつづきます。
プライマリケアトラスト(PCTs)についての説明も見つけました。
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Primary Care Trustsとは何ぞや?
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NHSは地域毎に運営されているため、全貌を理解するのは難しい制度になっているようです・・・。しかし、ここには詳しく説明されています。引用つづきます。
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NHS Englandの中に、地域ごとにNHS Trustというものに分けられて、Primary Care部門の医療とサービスを一手に引き受けているのがPCTsということになります。他にも、Mental health, Acute care, などのTrustsがあり、それぞれ独自に地域に対するサービスを提供すべく方針を立て運営されています。
PCTsの守備範囲(?)としては、GPによる診療、薬局、Public Health、患者教育など、実に多岐にわたっており、地域に必要と思われるサービスを特定し、そのサービスを提供している施設・機関と個別に契約を結び、その成果をモニターするということが求められています。
また、PCTsがClinical Governanceに基づいて、きちんと仕事をしているかということをチェックするために、多くの機関が作られました。
◆NICE (National Institute for Health and Clinical Excellence) (医療行為と医療器材についてのガイドラインを発行する)
◆Healthcare Commission (England のNHSの質についてAuditを行う)
◆NHS Clinical Governance Support Team (Clinical Governanceを現場に反映できるように援助する)
他にも関連機関がありますが、ここでは割愛。臨床の質、経営の質というものを、患者の視点、経営の視点、運営の視点からチェックし、それを広く市民にも公開しています。
毎年、各NHS Trusts、PCTsに対して、resourceの利用状況や経営状況、医療の質が国の定めたIndicatorに基づいて測定され、批判的な内容も含めて発表されています。
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英国のNHSは生まれ変わっている
質がわかりにくい医療を多面的な視点から評価し、開示する制度を作り上げているようです。NICEのウェブサイトはすばらしいものですし、診療の質をaudit(監査)で評価して収集するなどの取り組みの導入も先駆的です。
地域に医療の運営を委ねることで、英国の医療制度は効率的なものに生まれ変わっているようです。これもひとつの処方せんでしょう。
さて、日本の医療制度は完全に遅れをとっています。質の高い一次医療サービスをどのように提供するのか。もう考えなくてはならないのではないでしょうか。
つづく