日本医学教育学会から、緊急提言が出されています。学会ウェブサイトに掲載されていますので、ご紹介します。
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提言 地域医療教育の充実のために‐地域枠制度の拡大を受けて‐
日ごろよりわが国の医師育成に関し、ご尽力賜りますことに感謝を申し上げます。
さて、日本医学教育学会では、地域における医師不足・偏在を受けて、数年来多くの大学で創設されている地域枠制度の拡大に関して、医学教育を担う立場より重大な関心を払ってまいりました。
地域枠制度については、上手く機能すれば地域医療の充実に大きく寄与する可能性がある一方で、各大学、自治体、現場医療機関が三位一体となったカリキュラム作りが上手くいかないと、地域医療教育が継続的に展開されなかったり、既存システムと軋轢を生じたり、地域枠の学生が孤立したりする可能性もあり、自治体、地域医療現場、地域住民の全面的な関心・協力が必要であり、貴省の積極的な関わりが期待されるところです。
当学会では、「医学教育のあり方特別委員会」において『地域医療教育特別委員会』を設け、この領域に造詣の深いメンバーによる突っ込んだ議論を経て緊急提言をまとめました。
つきましては、別添のとおり提言いたしますので、特段のご理解を賜りますとともに、国民のための医療の充実のために貴省の積極的なご支援をお願い申し上げる次第です。
(以下省略)
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この提言の中で述べられていますが、まさに卒前・卒後・生涯教育の一貫した臨床医養成モデルが示されておらず、その確立が必要だと思います。大学と現場の医療機関がお互いに理解し、協力しながら取り組んでいかなければならない課題ではないでしょうか。