「家庭医」育成に期待

 

  早いもので、もう3月になりました。YomiDr.から。
------------------------------------------------------------
「家庭医」育成に期待

  小児から高齢者まで幅広く病気を診る「家庭医(総合医)」関連の3学会が4月に合併する。家庭医育成に本腰を入れる構えだが、課題もある。(医療情報部・利根川昌紀)

[要約]

◇高齢社会において、幅広い診療能力を持つ 家庭医の役割が高まっている。
◇関連学会の合併により、家庭医療専門医の 養成が進むことが期待される。

家庭医は、いわゆる「かかりつけ医」として、健診から簡単な救急処置まで行う。適切な問診などで病気の7~8割は診断がつくとの報告もあり、必要な場合には専門医に紹介する。欧米には多くの家庭医がおり、英国などでは緊急の場合を除き、まず家庭医を受診する仕組みが取られている。

今春、合併するのは日本家庭医療学会(会員約2100人)、日本プライマリ・ケア学会(同約4600人)、日本総合診療医学会(同約1000人)。日本プライマリ・ケア連合学会となり、これまで独自に行ってきた研修や専門医の認定なども統一される。

新学会が家庭医の必要性を訴える背景には、高齢社会と医師不足がある。

高齢者は複数の病気を抱えていることが多い。だが、病院への患者の集中は、勤務医の疲弊を招く一因にもなっている。日本家庭医療学会の山田隆司代表理事(東京・台東病院長)は、「特定領域の診療経験しかないなど、必ずしも開業医の質が患者にわかりにくいことが、患者の大病院志向を生んでいる」と指摘する。

日本医師会による調査では、かかりつけ医がいると回答した48%の人のうち、54%が医師に期待することとして「総合的に診る幅広い診療能力」を挙げた。

新学会による家庭医療専門医の認定は、医学部を卒業後2年間の初期研修を終えた医師などに対し、内科や小児科、救急、外科、精神科などを原則3年間、幅広く診療経験を積んだうえで、模擬診察などの実技試験を行う。

ただし、認定方法をめぐっては、開業医が日常診療を行いながら研修を受けるのは困難との指摘もある。日本プライマリ・ケア学会の前沢政次学会長(北海道大教授)は、「地域医療に貢献している開業医が、資格を取りやすくする必要がある」と話す。

(以下省略、2010年2月27日 読売新聞)
------------------------------------------------------------

資格はとりやすくしてよいのか

  「開業医の質がわかりにくいこと」が、医療不信を複雑なものにしてきたと思います。質をわかりやすくすることと「資格を取りやすくする」ことは相反することではないでしょうか。

  新しい制度には、それにふさわしい意味づけをすべきでしょう。それが国民の期待に応える、ということではないでしょうか。

Community Medicine Toolbox, Copyright © 2003, 2007-2019 地域医療ジャーナル