SLITの効果

 

 

2003年のメタ分析

 花粉症の減感作療法で紹介した、SLITについて調べてみました。2003年のCochrane Libraryにメタ分析がありました。抄録のみ読んでみました。

メタ分析(Wilson, 2003年)

Sublingual immunotherapy for allergic rhinitis.
Wilson DR, Torres LI, Durham SR.
Cochrane Database Syst Rev. 2003;(2):CD002893. Review.

■アレルギー性鼻炎の人に
■SLITを行うと
■プラセボと比べて
■自覚症状や薬必要量は少なくなるか
■治療、メタ分析

■結果
22研究、979人、すべて二重盲検のランダム化比較試験
自覚症状(SMD -0.42, 95% confidence interval -0.69 to -0.15; p = 0.002)、薬必要量(SMD -0.43 [-0.63, -0.23]; p = 0.00003) ともに、有意に少なかった。


 自覚症状のスケールは研究毎に指標が異なるため、加重平均の差(weighted mean difference: WMD)ではなく、標準化平均差(standardized mean difference: SMD)、すなわち平均の差を標準偏差で除したもので統合しています。

 

SLITは喘息にも効果?

 SLITはプラセボに比べて効果あり、という結果です。しかし、小児、注射など他の減感作療法との比較は症例が不十分で検討できず、今後の研究が待たれる、とのことです。
 その後2008年に、小児については、アレルギー性鼻炎のランダム化比較試験気管支喘息に対する効果についてのメタ分析も出ています。

 

【あとがき】

 2003年の論文を紹介した2009年の記事。この当時はまだSLITの保険適用がなかった時代でしたが、新しい記事作成の参考となりました。効果については、2018年時点でも当時と大きく評価は変わっていないようです。

 追跡記事はこちら。

参照:花粉症に減感作療法(皮下注)は?

 小児や喘息についても、記事化していませんでしたね。また今度でも。(2018-4-10)

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