術前患者の評価依頼を受けることがありますが、時々困った依頼があります。待機手術にも関わらずすでに手術予定日が迫った状態で依頼され、手術を快くお勧めできないと思われる場合です。
評価する側は外科的経験があるわけではありませんし、自分が執刀するわけではありません。そのリスクについては外科医がある程度判断した上で、相談していることでしょう。実際には「何かあったらよろしく」という程度のご挨拶なのかもしれません。
こちらも客観的判断は難しいですが、リスクがあるのであれば、そのように表明することは必要なことだと思います。
ところで、このような対診(consultation)の作法については、どこで教えられたこともないように思います。調べてみたところ、UpToDateに記述がありました。
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Overview of the principles of medical consultation and perioperative medicine
Steven LC, Davod SM
UpToDate 17.1
対診の原則
・質問を明確にし、それに答えよ
・緊急性を見分け、タイムリーな反応を
・「自分のために診よ」;病歴、身体診察、検査成績を確認せよ
・短く適切に;断定的で数少ない推奨を
・具体的に、処方の詳細まで
・緊急時対応計画を授けよ
・汝の芝を褒めよ;他人の患者を盗んではいけない
・センス良く教えよ;しかるのではなく相談に乗ること
・会話は安く効果的;直接話すのが重要
・推奨に従ったかどうか確かめよ
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よく書かれています。紹介する側もされる側も学ぶべき原則です。対診を受けた理由は何か、よく確認すべきだったのかもしれません。ただなじられ、手術延期の提案を受け入れられないのでは対診の意味がないのではないでしょうか。
無事手術が終わることを願います。