読売新聞の医療ルネサンスより
家庭医とは、小児から高齢者まで、診療科の枠を超えて幅広く診察できる医師を指す。ドイツでは、家庭医として開業するには、医師免許に加え、家庭医の専門資格を取得することが必要条件とされている。地域ごとに定数も定められており、医師免許があれば自由に開業できる日本とは、大きな違いがある。
日本では、開業医ではなく、大病院に患者が集中し、病院医師の過重労働や疲弊を招いている。背景には、信頼できる開業医が見つかりにくい事情がある。
開業医が幅広い診療能力を養うことができるよう、本紙の医療改革提言で提案したように、「家庭医の研修を開業の条件に」することが必要ではないだろうか。
家庭医として開業するためには、家庭医の専門研修を受けていなければならない、というのは世界の常識です。しかし、日本では一般診療するための研修なく自由に標榜して診療所を開業することが可能となっています。診療の質に大きなバラツキがあることは明らかです。
どの開業医も一定の診療の質を担保するような仕組みがなければ、国民の大病院志向はなくならないでしょう。安易に認定を与えるのではなく、質の保証をどう行うのか、日本医師会は責任をもって真剣に議論していただきたいです。