最後の医介輔が引退

 

琉球新報から

最後の医介輔が引退 へき地・離島医療支え60年 2008年11月19日

【うるま】戦後沖縄で、へき地・離島の住民の命を支え続けてきた医介輔制度。宮里善昌さん(87)=うるま市勝連平敷屋=は県内唯一の医介輔として平敷屋診療所で診察を続けてきたが、10月6日に同診療所を閉めた。最後の医介輔だった宮里さんの引退で、戦後・復帰後の地域医療を支えた約60年の医介輔の歴史が幕を閉じ、戦後沖縄の時代を語る象徴がまた一つ消えた。
 医介輔は、沖縄・奄美だけに認められた特別医療制度。激しい沖縄戦で60数人まで激減した県内の医師不足を補うため、1951年に米国民政府が医師助手などを対象に試験を実施し、県内では宮里さんを含む96人が合格。復帰時も、へき地医療は改善されていないとして「沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律」で制度は存続した。
 宮里さんは「産婦人科など何でも診ないといけなかったが、勉強になった。患者に対する優しさが医の原点」と語る。「沖縄での医介輔の目的は果たした。後世につないだという安心感があった」と悔いはない。

 米国のPhysician assisstantに相当する医介輔。医師不足の解決策のひとつになると思います。離島医療を支えてきた歴史的制度がなくなるのは寂しいですね。宮里さん、お疲れ様でした。

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