注射嫌いの子供たちに朗報?

 

新年度がはじまりました。新体制にはいろいろ混乱も発生しますが、新しい気づきも生まれます。これまでを見直してみる、いい機会かもしれません。

これまでの局所麻酔剤は効果が出るまで時間がかかりすぎて、例えば小児の静脈穿刺などでは現実的ではありませんでした。この論文では、数分で効果が現れる画期的な麻酔の方法、針なし粉麻酔デリバリーシステムを使って効果を検証したものです。
J Pediatr. 2008 Mar;152(3):405-11. Epub 2007 Oct 22.
A novel needle-free powder lidocaine delivery system for rapid local analgesia.
Zempsky WT, Robbins B, Richards PT, Leong MS, Schechter NL.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18280850

  • 小児(3-18歳)に
  • デリバリーシステムを使って静脈穿刺すると
  • プラセボ手技と比べて
  • 痛みが減るか(Wong-Baker FACES scale(3-12歳)または/かつ100-mm visual analog scale (8-18歳)
  • 治療、ランダム化比較試験

結果
Wong-Baker FACES (0 to 5)
デリバリーシステム   プラセボ手技
3 to 7 years        1.52±1.83        2.42±2.12
8 to 12 years       0.98±1.13        1.4±1.22
VAS (0 to 100 mm)
8 to 12 years       10.9±19.96       17.86±22.06
13 to 18 years      14.08±18.04      23.41±22.07



案外、全体的に痛みスコアが低くて拍子抜けしています。点滴は意外と痛いと思っていないんでしょうか?でもやはり、新しい方法のほうが、痛みスコアは低くなっています。

 

つづく

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