ギルドが阻害要因

 

 厚労省は3月19日、「安心と希望の医療確保ビジョン」会議を開き、看護師や助産師らが現場で抱えている問題点について意見を聴いた。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15190.html

 裁量権の拡大を求める主張に対し、舛添厚労相は「厚労省の政策ではないことを前提に言う」と前置きした上で、次のように述べた。

 「何が(スキルミックスを)阻害しているのか。要するに、みなさんはそれぞれ団体を持っている。ギルドだ。このギルドとの関係をどうするのか。私はギルドが阻害要因になっているような気がする。看護師さんの集まりのトップと議論すると、『敵は開業医だ。医者がいるから私たちは駄目なんだ』という話になってしまう。そうすると医師会というのは何なのか、歯科医師会とは何なのか。それぞれの職能団体の要望事項をまとめるのはいいが、患者の視点で見たら医師会と看護師(の)会が対立している。その割を食らうのは患者だ。WIN-WINの関係を阻害しているのがギルドならば、その在り方も考える必要がある。参議院にたった1人の代表者を送れるかどうかというほど、1つのアソシエーションの機能が落ちている時、それが阻害要因となってスキルミックス(多職種協働)ができないのは不幸だ」

 舛添厚労相はこのように述べて、医師や看護師を代表する団体の対立が院内に持ち込まれていることを問題視した。その上で、次のように問題提起した。 「医療技術が向上し、国民の期待水準が高くなっている。『一流の病院でなければ、何かあったら』という意識がある。介護にしてもそうだ。『グループホームは良いですよ』と言うが、病気になったらどうするのか。次との連携は取れているのか。すべての問題が、そのようなネットワークや連係プレーが欠けていることにかかわっている。今後、地域医療をどういう形で組み立てていくのか。私は医療制度の改革は本当の意味での地方自治という感じがしている」


 医療の中で連携に大きな欠陥があることは間違いありません。鋭い指摘ではないでしょうか。地域医療をどう組み立てていくのか、鍵になるのは連携でしょう。
 ギルドの覇権争いで患者が犠牲になるのは、本当にもううんざりです。

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