キャリアブレインから
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15135.html;jsessionid=121869BEF9DDD2F162B3FB0DA13D9817
全国47都道府県の公法人や国保連合会が加盟する国民健康保険中央会(国保中央会)は3月17日、特定の専門分野に偏らず日常的な疾患(コモン・ディジーズ)に対応する「総合医」の確立・普及の提言を盛り込んだ報告書をまとめた。
地域医療を担う「総合医」
・日常的な疾患(コモン・ディジーズ)に対応し、プライマリ・ケアを実践
・他の専門的な医療機関等を適切に紹介することができる
・地域において疾病予防や健康相談を含めた健康づくりを行っている
・患者や地域住民の生活状況をよく把握している
・時間外・夜間の対応を積極的にしている
・往診や在宅医療に積極的に取り組んでいる
総合医の担い手については「原則として開業医・診療所を念頭に置いている」とする一方、「地域特性によっては中小病院が担うことも考えられる」と含みを持たせている。
報告書ではまた、総合医を確立するための道筋として▼これから医師になる人が学部教育や卒後研修を通じて一定の教育・研修を受け、総合医の認定を受ける▼臨床経験のある医師が生涯教育を経て総合医に転換する―の2通りを提示。総合医育成のための学部教育のカリキュラム見直しや、現役医師向けの生涯学習による機会の拡充なども求めた。
このほか総合医の認定条件については「国や日本医師会、関係学会などが協議していくことが妥当」としている。
日本の医療システム、日本人の価値観、人材育成のキャパシティを考えると、このような総合医機能は無床診療所だけでまかなえない部分が大きいような気がしています。在宅患者を責任をもって診ていくには増悪時の病床が必要ですし、救急対応も含めると診療所のマンパワーでは限界があります。人材育成にしても、診療所では教えたくても雇用する人件費の余裕がなく、今困っています。
大病院と診療所の機能分化をすすめるのではなく、もっと中小病院の機能を発揮させるようなしくみを作っていく必要があるのではないでしょうか。
若手をどんどん中小病院に集めて地域医療を経験させる方法論が今、必要とされていると思います。