COPE=1イベントを予防するための費用

 

 いつも気になっていたことがACPジャーナルクラブに載っていました。

ACP J Club. 2008 Jan-Feb;148(1):A08. Adding cost to NNT: the COPE statistic (Editorial).
Maharaj R.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18170986

 NNT(治療必要数)とは、一人のイベントを予防する効果を得るために何人治療しなければならないか、という指標です。これで治療効果の大きさを判断することができますが、どれくらいの医療費がかかるのかまではわかりません。同じ効果の治療でも、費用によって導入すべきか、すべきでないか、判断が変わってくる可能性がありますので、費用も大事な視点です。
 そこでCOPE(Cost of preventing an event)を使ってみよう、というわけです。

 COPE = NNT×必要な年数×薬剤費/日×365

例として
                   NNT 年数  薬剤費      COPE
閉経後女性55-81歳の     22   3  アレンドロネート  $47939
骨折二次予防                   10mg$1.99    512.2万円

冠動脈疾患による死亡予防  25   5.4 シンバスタチン  $33507
狭心症や心筋梗塞既往男性          40mg $0.68   358.0万円

心不全発症予防         40   4.5 ラミプリル     $102492
ハイリスク・心機能正常              10mg$1.56   1 095.1万円

 かかる費用を眺めて冷静に判断したいです。本当にそんな価値があるのか?

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