インフルエンザが流行するとマスクをつけている人をよく見かけます。感染予防としては効果はどうなのでしょうか。飛沫・空気感染しますが、マスクの網目が0.1mm(100000nm)としても、インフルエンザウイルスの大きさは10nmですから、マスクではウイルスの透過は防げなさそうですが・・・
BMC Public Health. 2007 Aug 15;7:208. Non-pharmaceutical public health interventions for pandemic influenza: an evaluation of the evidence base.Aledort JE, Lurie N, Wasserman J, Bozzette SA. PMID: 17697389
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17697389
- インフルエンザ流行期に一般市民に
- マスクをつけると
- つけないのと比べて
- インフルエンザ発症が予防できるか
- 治療(予後)、review
結果
インフルエンザ流行期に一般市民がマスクを着用することを支持する論文はなかった。専門家の意見も分かれている。
医療従事者や患者はCDCガイドラインでは患者に接近(3フィート以内)する場合はマスクを着用するようにかかれている。N95マスクであれば95%の飛沫核が防御できるとされるが、最近のIOM(Institute of Medicine)の研究では、その効力は限られているという報告がある。
Systematic reviewを目指した論文のようですが、十分な論文が得られずexpert opinionを取り入れたreviewとなっていました。
2007年8月の時点で、マスクの予防効果についてははっきりしていない、ということがわかりました。N95をつけながらすっと診療するというのも、非現実的な気がします。
Respiratory etiquette(咳エチケット)についても紹介されておりました。ティッシュや上着の袖で口をおさえて咳をすることですが、手洗いとともに推奨されていました。
CDC
http://www.cdc.gov/flu/professionals/infectioncontrol/resphygiene.htm
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html