かぜで医療機関を受診する方にかぜをひいた理由を尋ねると、「寒いところにいたから」「冷たい雨にあたったから」という返事がよく聞かれます。体が冷えると本当にかぜをひくのでしょうか?調べてみました。
Fam Pract. 2005 Dec;22(6):608-13. Epub 2005 Nov 14. Acute cooling of the feet and the onset of common cold symptoms.Johnson C, Eccles R. PMID: 16286463
- 健常人に
- 10℃の冷水に20分間足をつけると
- 靴と靴下を脱ぐだけに比べて
- 4-5日後までにかぜをひく人が増えるか
- 予後
結果
4-5日後にかぜをひいたのは、冷却群13/90人、対照群5/90人と有意に多かった。症状スコアでも、冷却群平均5.16(±5.63 s.d. n = 87)、対照群2.89 (±3.39 s.d.n = 88) と有意に症状発現が多かった。
冷却群と対照群はランダム割付されていますが、遮蔽はされていません(できませんが・・・)。また、症状スコアについては脱落があり解析から除外されていますが、数は少なく結果を変えるものではありません。
体が冷えるとかぜをひく、というのは一般には言われていますが、これまで証明されたことはなかった、とintroductionに記載があります。冷気による気道粘膜の血管収縮による抵抗力減弱によると推測されているようです。それにしても、こんなことが2005年の臨床試験ではじめて証明されていたとは。驚きです。