側頭動脈炎疑い、その後

 

以前側頭動脈の硬結がないと側頭動脈炎は除外できるか - 地域医療日誌 by COMETで登場していただいた、上顎洞炎で側頭動脈炎を疑った方のその後。

超音波検査が低侵襲で診断に有用であると知り、さっそく試してみようと思っていました。

Ann Intern Med 2005 Mar 1;142(5):359-69. Meta-analysis: test performance of ultrasonography for giant-cell arteritis. Karassa FB; Matsagas MI; Schmidt WA; Ioannidis JP. PMID:15738455

  • 側頭動脈炎疑いの患者さんに
  • 側頭動脈エコーで所見があれば
  • 側頭動脈と診断できるか
  • 診断、メタ分析

結果
Halo sign 感度69%、特異度82%
Stenosis or occlusion 感度68%、特異度77%
Halo, stenosis, or occlusion 感度88%、特異度78%

ところが、患者さんが耳鼻科で撮影した副鼻腔CTを持参・・・
上顎洞に大きな膿瘍形成が・・・鼻腔や眼窩底にも広がっており、腫瘍の可能性もあり。 これが痛みの原因だったのでしょう。

この方の感想が印象的でした。
「骨一枚隣り合わせなのに、歯科も耳鼻科もお互いのことがわからないなんて。」
ちょうどここに歯科と医科の大きな壁があるんですね。

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