本の紹介

趣味としてのブロガー

本の紹介です。あの話題作を手にとりました。 いわゆる「村上主義者」かどうかはわかりませんが、作品をまとめて全部読んだ時期があり、どのように小説を書いているのか、その舞台裏に関心がありました。 職業としての小説家 (Switch library) 作者: 村上春…

ジェネラルを師に学ぶ

本の紹介です。献本御礼申し上げます。 月刊誌「月刊地域医学」に掲載されたインタビュー記事120本の中から21本を選りすぐり編集されたものです。 ザ・総合診療医 地域医療を語り合った仲間たち posted with ヨメレバ 山田隆司 株式会社メディカルサイエンス…

トランスサイエンス的問題に医療はどう向き合うか

またも、本の紹介です。ここは本の紹介ブログではなかったはずですが、最近ちょっと多いような気がします。 しかし、重要な関心テーマのようなので、あえて書いておきたいと思います。 ポスト3・11の科学と政治 posted with ヨメレバ 中村征樹 ナカニシヤ出…

地域医療の根幹部分へ

今回は論文ではなく、書評の紹介です。PDFにて閲覧可能となっています。 「健康第一」は間違っている *1 日本プライマリ・ケア連合学会理事長の丸山泉さんが、みなさんご存知のあの本の書評を学会誌に書かれています。 まだ読んでいない人は、ぜひどうぞ。 …

EbM実践がわかる本

本の紹介です。著者からの献本、深謝いたします。 EbMがまだ実践できない人に 名郷直樹のその場の1分,その日の5分 作者: 名郷直樹 出版社/メーカー: 日本医事新報社 発売日: 2015/03/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る EbM(Evidence-b…

こどもの100年を見据えた診療

はじめにの衝撃 ふと、本棚にあった本を手にしました。随分前にざっと読んだおぼろげな記憶がありましたが、あらためてどんなことが書いていたのだろうと、最初のページをめくったところで、手が止まりました。 外来小児科初診の心得21か条 (総合診療ブック…

グローバル化だけが進む道ではない

本の紹介です。 日本語の科学が世界を変える (筑摩選書) 作者: 松尾義之 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/01/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 日本語を用いて科学的な考察や議論を深めることには、英語を用いた場合と比べて…

かぜの研究

「かぜの研究」をどこかにまとめてみよう、と思っていましたが、なかなか時間がなく、今のところ作業が進んでいません。 鉄は熱いうちに打て、とは言いますが、かぜのシーズンが終わると、熱はさめてしまいます。敢えなく断念しそうです。 さて、最近かぜに…

ナラティブの本

ひきつづき、原稿の資料収集のための本棚整理です。 医療におけるナラティブ、いわゆるNBM(Narrative-based medicine)に関する本も、翻訳本が出版されています。 代表的なものをここにまとめておきます。 Trisha Greenhalgh NBMを世界に知らしめた、代表的…

患者中心の医療の本

原稿の資料収集のために本棚を漁っています。 「患者中心の医療」に関する本は、原著と翻訳本があり、少し整理がつかなくなっていましたので、ここにまとめてみました。 Moira Stewart 代表的な著書。原著は最新版が第3版(2014年)です。 Patient-Centered…

臨床推論入門

本の紹介です。 レジデントノート増刊です。頻度の高い90疾患について、診断の決め手を各科専門医から教えていただきました。 各項目2ページのため、要点がコンパクトにまとめられています。 レジデントノート増刊 Vol.16 No.14 90疾患の臨床推論! 診断の決…

アシュリー事件と医療の未来

とあるきっかけから、アメリカで2004年に起きた事件について、知りました。このような事件を知らなかったこと、気にとめていなかったこと自体に、問題の本質が潜んでいるように思えますが、あまり話題にも登っていなかったように思います。 アメリカの6歳に…

エビデンスは鮮度が命

雑誌の特集号の紹介です。 昨年のEvidence Update 2012にひきつづき、1年で更新された注目トピックスの最新エビデンスがまとめられています。今年は、「薬局」と「治療」の合同コラボ企画となっております。 治療×薬局 コラボ特集 Evidence Update 2013 南山…

サイエンスへの情熱

このところ、本の紹介が多くなっていますが、ちょっとお付き合いください。 今回はこちらです。 知の逆転 (NHK出版新書 395) ジャレド・ダイアモンド NHK出版 発売日:2012-12-06 ブクログでレビューを見る» 「現代最高の知性」6人に魅了される一冊。オリバ…

デカルト的思考は医療にどう影響を与えたのか

さらに、本の紹介です。 「現象学の医療への活用(現象学的医療)」について関心があり、ひとつのテーマとしてきました。臨床現場で現象学をどのように生かすのか、臨床医の視点で記述された本をよみましたので、ご紹介します。 医療とは何か ---現場で根本…

わかりやすいことはよいことか?

つづけて、本の紹介です。 以前紹介した「死にカタログ」の著者で、アートディレクターの寄藤文平さんの最新作。 絵と言葉の一研究 「わかりやすい」デザインを考える 寄藤文平 美術出版社 発売日:2012-12-07 ブクログでレビューを見る» わかることよりもわ…

地域医療の方法

年明け早々、書評を。半年前に学会で購入していたのですが、なかなか手にすることができませんでした。 プライマリ・ケア‐地域医療の方法‐ posted with amazlet at 12.12.31 松岡史彦 小林只 メディカルサイエンス社 売り上げランキング: 119,648 Amazon.co.…

Google検索からキュレーションの時代へ

キュレーションに関する新刊を読みました。 キュレーションとは、 取りまとめられ、整理されたものに、人間がその質を評価することを通じて付加価値を与えることである。 と説明されています。 キュレーション 収集し、選別し、編集し、共有する技術 posted …

地域医療に役立つ本

地域医療に役立つ書籍をご紹介します。順不同。随時更新します。 (updated 2011/11/10) 家庭医療 Improving Primary Care: Strategies and Tools for a Better Practice (Lange Medical Books) スタンダード家庭医療マニュアル―理論から実践まで テイラー家…

質的研究は科学か

今回は、質的研究に関する本を紹介します。 質的研究の科学としての位置づけについて、わかりやすく説明されています。 質的研究を科学する posted with amazlet at 11.11.07 高木 廣文 医学書院 売り上げランキング: 156423 Amazon.co.jp で詳細を見る 質的…

誰も教えてくれなかったこと

中絶天国と言われる日本。最近の人工妊娠中絶事情はどうなっているのでしょうか? 妊娠中絶統計は、厚生労働省の「衛生行政報告例」にあります。平成21年度までが公表されています。 厚生労働省 平成21年度衛生行政報告例結果の概況 5. 母体保護関係 (PDFダ…

役立てたい技術は武器になる

地下鉄サリン事件の被害者へのインタビュー「アンダーグラウンド」にひきつづき、村上春樹さんがオウム真理教の信者、元信者にインタビューした「約束された場所で-underground 2」。 約束された場所で―underground 2 (文春文庫) posted with amazlet at 11…

あれから16年、日本の姿は変わっていなかった

ここしばらく、村上春樹さんの長編小説を読み漁っていました。はじめて手にとっていますが、非常に魅力的な作品群です。 そして、ちょうどここまでたどり着いたところでした。 アンダ-グラウンド (講談社文庫) posted with amazlet at 11.06.12 村上 春樹 …

専門性は変容する

佐々木俊尚さんの「キュレーションの時代」をよみました。 キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書) posted with amazlet at 11.04.07 佐々木 俊尚 筑摩書房 売り上げランキング: 138 Amazon.co.jp で詳細を見る 情報の流れは大き…

EBMを勉強したい人に

EBMのバイブル的テキスト、「Evidence-based medicine」改訂第4版が出版されています。5年ぶりの改訂です。興味のある方はぜひ、ご一読を。 Evidence-Based Medicine: How to Practice and Teach it posted with amazlet at 11.02.15 Sharon E. Straus MD Pa…

死にカタログ

最近ちょっと気になる寄藤デザイン。「死にカタログ」入手しました。 死のいろいろなカタチ。外見に似つかわしくなく、中身はとても濃いです。キュブラー・ロスまで引用されています。------------------------------------------------------------ 「寿命…

高齢者は激増する

「デフレの正体」を読みました。これから日本はどんな社会になっていくのか。経済の本だと思って手にしましたが、医療にとってもたいへん示唆に富む内容でした。 デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21) posted with amazlet at 11.01.02 …

薬の疑問Q&A

臨床医の疑問86にこたえ、エビデンスを経験に基づいた薬の使い方のコツとポイントをまとめた、「薬の疑問Q&A」が羊土社から出版されました。 単にエビデンスがあるかないか、ということではなく、エビデンスを利用しながらどう診療を進めていくか、具体的な…

医療後進国、日本

「さらば、厚労省」を読みました。 さらば厚労省 それでもあなたは役人に生命を預けますか? posted with amazlet at 10.11.19 村重 直子 講談社 売り上げランキング: 4244 Amazon.co.jp で詳細を見る ちぐはぐな医療政策、法改正、通達。医療現場の混乱を招…

医療は誰のものか(2)

ひさびさに体調不良に苦しめられています。副鼻腔炎になっているようです。少しブログを書く元気が出てきました。 医療は誰のものか - 地域医療日誌 by COMETにつづきます。 映画「ロレンツォのオイル」を観ました。 副腎白質ジストロフィーという難病におか…

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