2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ビタミンB12欠乏症は経口投与でも改善する

ビタミンB12欠乏症の早期診断に「携帯電話徴候」 - 地域医療日誌 by COMETにひきつづき、ビタミンB12欠乏症についてです。ビタミンB12は胃壁細胞から分泌される内因子と結合して、回腸末端部で吸収されるといわれています。 ビタミンB12欠乏症は頻度が1.5%-1…

ビタミンB12欠乏症の早期診断に「携帯電話徴候」

肺炎で治療中の方に大球性貧血を発見。10年前に胃全摘術を受けておられました。治療について調べていたところ、こんな論文をみつけました。QJM. 2006 Apr;99(4):273. Epub 2006 Feb 27. "Mobile phone sign" in early vitamin B12 deficiency. Kozak N, Scha…

臓器別専門医療では社会が混乱する

「総合医」の養成が緊急課題-医事評論家水野肇さんの「正論」より しかし、日本では、臓器別の医学というものは、何とか欧米に近いものができつつあるが、一般の住民を診る「総合医」のようなものは、端的にいうと、育っているとはいえない。臓器別の医療も…

イザベル=診断のグーグル

絶対計算の進化はここまで来ていました! 症状を入力するだけで鑑別診断を挙げてくれる、臨床診断支援システム(CDSS)が臨床で活用できる段階にあるようです。(「その数学が戦略を決める」(文藝春秋)でも紹介されていました!) 検証論文もいくつかある…

医師との会話「増える方がよい」7割

YOMIURI ONLINEから。 医師の患者への話し方や態度が、5年前に比べて向上したと感じる人が半数近くに上ることが、読売新聞の無料会員制サイト「yorimo(ヨリモ)」の会員を対象に行ったインターネット調査で分かった。「医師の説明が丁寧で詳しくなっ…

知っててよいことと知らなくてよいこと-頭部MRIの偶発所見

精査すればするほど、知らなくてよかったことまで見つかってしまいます。無症候性脳梗塞はよくみられる偶発所見ですが、いったいどれくらいあるのでしょうか?N Engl J Med. 2007 Nov 1;357(18):1821-8. Incidental findings on brain MRI in the general po…

かぜ薬には効果がない:FDAが勧告

もともとかぜ薬の効果は証明されておらず、有害である可能性があることが指摘されていましたが、ついにFDAで2歳未満には投与しないよう勧告が出ました。2-11歳については結論保留となっていますが、 「かぜ薬はかぜを治癒したり有症状期間を短くしないことを…

ネフローゼは塞栓症に注意

全身性浮腫の方が紹介されてきました。糖尿病で治療されていましたが、数ヶ月で体重が20kg以上増加しており、胸腹水もみられました。著明な蛋白尿・低蛋白血症・脂質異常症を認め、ネフローゼ症候群を呈していました。 偶然、ネフローゼ症候群と塞栓症のリス…

伝染性単核症の検査

後頭部の頭痛と発熱で10代の方が受診されました。触診すると後頭リンパ節が腫れていました。頚部にも鼠径部にもリンパ節腫脹がみられ、脾腫もみられました。伝染性単核症が疑われ、血液検査を行うことにしました。 ところでVCAIgM, IgGやEBNAの感度、特異度…

万歩計をつけてウオーキングすると体重は減るか?

万歩計をつけている人は最近少ないのでしょうか、あまり見かけないような気がします。Ann Fam Med. 2008 Jan-Feb;6(1):69-77. A meta-analysis of pedometer-based walking interventions and weight loss. Richardson CR, Newton TL, Abraham JJ, Sen A, Ji…

ヨーグルトで抗生剤による下痢を防げますか?

乳酸菌飲料では バイオヨーグルトでは 乳酸菌飲料では 抗生剤を投与すると下痢の副作用がよくみられます。ヨーグルトを食べると、この下痢が予防できるのではないか、という研究がいくつかありますので、ご紹介したいと思います。 BMJ. 2007 Jul 14;335(7610…

家庭医の宿命-後医は名医になりやすい

家庭医は健康問題が発生した時に、最初にかかる医師になります。「最初にかかる」ために抱える問題の難しさに直面することが、家庭医の宿命でもあります。 ふたつのくじがあるとします。当たり●はずれ○です。A ○○○○○○○○●●B ○○○●● どちらのくじが当たりやすい…

捻転は捻転でも

30歳代の右下腹部痛の女性が受診されました。3日前から「間欠的な」腹痛、便秘、排尿困難がみられており、いくつかの医療機関を受診されていました。便秘の診断で対症療法されていましたが、改善みられず受診されました。 以前から右卵巣嚢腫を指摘されてお…

胆嚢炎の超音波診断

急性肝炎と胆嚢炎の鑑別が議論となった方がおられました。超音波検査所見は胆嚢炎の診断にどれほど寄与するのか。調べてみました。Am J Surg. 2004 Dec;188(6):703-7. Does the correlation of acute cholecystitis on ultrasound and at surgery reflect a …

患者の暴力には毅然とした態度で

当直中、深夜に救急車で受診された患者さんから暴力を受けました。 「血圧が高い」ということで搬送されてきましたが、顔を見るなり「おまえには診てもらわない。俺が入院が必要だと判断した。入院させろ。」躁うつ病で精神科通院中の患者さんでした。 深夜…

警告:ビスフォスフォネート製剤で激しい筋骨格系の疼痛

FDA警告が出ています。骨粗鬆症治療薬のビスフォスフォネート製剤が原因で骨痛、関節痛、筋肉痛が出現する可能性があるようです。骨粗鬆症による痛みと間違われることがあるようです。ご注意ください。http://www.fda.gov/cder/drug/infopage/bisphosphonate…

PPI長期投与の副作用は?

胃食道逆流症(GERD)の治療でPPI(プロトンポンプ阻害剤)を飲み始めた方から今日質問されました。「これは長く飲んでいて副作用の心配はないのでしょうか?」とても自然な質問です。 タケプロン(lansoprazole)でしたので、添付文書を確認してみました。h…

たばこを吸う人は糖尿病にもなりやすい

たばこや糖尿病は心血管疾患の危険因子になるといわれています。たばこを吸う糖尿病の方は非常に危険性が高くなるわけですが、単に独立した危険因子ではなく、どうもたばこを吸っていると糖尿病にもかかりやすくなっていることがわかってきました。JAMA. 200…

ムンプス難聴

本日、子供の頃のムンプス(おたふくかぜ、流行性耳下腺炎)が原因で難聴になったという女性が来院されました。ムンプス感染後に合併症として感音性難聴をきたすムンプス難聴は頻度が非常に低いと言われていますが、原因が特定されることは少ないのかもしれ…

直感や経験に基づく専門家がデータ分析に敗れている

興味深い本をみつけました。訳本です。「気になる本棚」コーナーに紹介しました。 その数学が戦略を決める(イアン・エアーズ著、文藝春秋) 「絶対計算」とよばれる情報の定量分析の手法が紹介されています。Googleやamazonでもおなじみの手法ですが、予想…

あけましておめでとうございます

新年早々、仕事始めです。地域医療に休みはありませんね。 無理なくがんばりたいと思います。今年もよろしくお願いします。 平成20年 元旦

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