訪問診療の医師を探すなら

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 これから自宅に訪問診療 *1 をお願いしたい、と思ったときに、「まずどこを調べればよいかわからない」という声をよく耳にします。

 インターネットでも情報が散逸しており、適切な情報源になかなかたどり着けないことが多いようです。

 そんなときには、まず日本医師会の「地域医療情報システム」をおすすめします。

 なかなか優れたシステムですが、ちょっとわかりづらいので簡単にガイドしておきます。

jmap.jp

 

将来の需要予測もわかる 

 まず調べたい地域を選択します。選択した地域における将来推計人口、医療介護需要予測、地域医療資源の概要などが一覧できます。

 多くの人はこのページでひるんでしまうことでしょう。訪問診療の診療所をさがす人には、あまり関係がありませんので、読み飛ばしてもよいです。

 例えば、東京都ではこのようになっています。(一部抜粋して作図しています。)

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 医療介護需要予測は、全国平均では2025-2030年にはピークアウトしています。しかし、東京都ではその後も増加を続け、2040年に大幅に増加するという見通しとなっています。

 75歳以上の後期高齢者人口では、2040年には2010年より90万人以上の増加が予測されています。

 

 このような予測が地域ごとに閲覧できるようになっています。

 

在宅療養支援診療所を探す

 さて、訪問診療を行っている診療所は、地域医療資源の表のここ(赤い矢印をつけました)をご覧ください。

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 「在宅療養支援診療所」の文字をクリックすると、医療機関のリストが表示されます。このページの「このリストの施設を地図上に表示」ボタン(赤い矢印をつけました)をクリックすると、地図上の位置が表示されます。

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 表示された地図から、近隣の医療機関を探すとよいでしょう。

 ちなみに広域で検索すると地図ページが分かれてしまう仕様のようですので、地域を絞って検索することをおすすめします。

 

在宅療養支援診療所とは?

 さて、このリストには「在宅療養支援診療所1」「在宅療養支援診療所2」「在宅療養支援診療所3」があります。どのように違うのでしょうか。

 これは、厚生労働省が定める「特掲診療料の施設基準等」をどこまで満たしているかを示しています。それぞれの規定については、下記のとおりです、

支援診1 別添1の「第9」の1の(1)に規定する在宅療養支援診療所
支援診2 別添1の「第9」の1の(2)に規定する在宅療養支援診療所
支援診3 別添1の「第9」の1の(3)に規定する在宅療養支援診療所

 

 この別添1 *2 から抜粋しておきます。(太字は著者)

第9 在宅療養支援診療所

1 在宅療養支援診療所の施設基準

 次の(1)から(3)までのいずれかに該当するものを在宅療養支援診療所という。 なお、(1)又は(2)のいずれかに該当するものが、区分番号「C000」往診料の注1に規定 する加算、区分番号「C001」在宅患者訪問診療料の注6に規定する在宅ターミナルケア加算、 区分番号「C002」在宅時医学総合管理料、区分番号「C002-2」特定施設入居時等医学 総合管理料及び区分番号「C003」在宅がん医療総合診療料(以下「往診料の加算等」とい う。)に規定する「在宅療養支援診療所であって別に厚生労働大臣が定めるもの」である。

(1) 診療所であって、当該診療所単独で以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及 び24時間往診できる体制等を確保していること。

ア 在宅医療を担当する常勤の医師が3名以上配置されていること。 なお、在宅医療を担当する医師とは、入院診療又は外来診療のみに限らず、現に在宅医 療に関わる医師をいう。

イ 当該診療所において、24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ指定すると ともに、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意 事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対して説明の上、文書により提供 していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間 帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を文書上に明示する こと。

ウ 当該診療所において、患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担 当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。

エ 当該診療所において、又は別の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等 との連携により、患家の求めに応じて、当該診療所の保険医の指示に基づき、24時間訪問 看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家 に提供していること。

オ 有床診療所にあっては当該診療所において、無床診療所にあっては別の保険医療機関 (許可病床数が200床以上の病院を含む。)との連携により、緊急時に居宅において療養を 行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方 厚生(支)局長に届け出ていること。

カ 別の保険医療機関又は訪問看護ステーションと連携する場合には、緊急時に円滑な対応 ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内 容等緊急の対応に必要な診療情報を文書(電子媒体を含む。)により随時提供しているこ と。

キ 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。

ク 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者 と連携していること。

ケ 年に1回、在宅看取り数等を別添2の様式11の3を用いて、地方厚生(支)局長に報告 していること。

コ 当該診療所において、過去1年間の緊急の往診の実績を5件以上有すること。 なお、緊急の往診とは、区分番号「C000」の注1に規定する緊急又は夜間若しくは 深夜に行う往診のことをいう。

サ 当該診療所において、過去1年間の在宅における看取りの実績を2件以上を有している こと。

(2) 他の保険医療機関と地域における在宅療養の支援に係る連携体制(診療所又は許可病床数 が200床未満の病院により構成されたものに限る。以下この項において、「在宅支援連携体 制」という。)を構築している診療所であって、以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の 連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保していること。 ただし、在宅支援連携体制を構築する複数の保険医療機関の数は、当該診療所を含めて10 未満とする。 なお、当該在宅支援連携体制は、これを構成する診療所及び病院(許可病床数が200未満の ものに限る。)が、すべて、診療所にあっては以下の要件、病院にあっては第14の2の1 (2)の要件を満たし、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院となることを想定してい るものである。

ア 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、在宅医療を担当する常勤 の医師が3名以上配置されていること。 なお、在宅医療を担当する医師とは、入院診療又は外来診療のみに限らず、現に在宅医 療に関わる医師をいう。

イ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と協力して、24時間連絡を受ける保 険医又は看護職員をあらかじめ指定するとともに、当該在宅支援連携体制を構築する保険 医療機関間で24時間直接連絡がとれる連絡先電話番号等を一元化した上で、当該担当者及 び当該連絡先、緊急時の注意事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対し て説明の上、文書により提供していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場 合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者を文書上に明示すること。

ウ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と協力して、患家の求めに応じて、 24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供 していること。

エ 当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関若しくは訪問看護ス テーションの看護師等との連携により、患家の求めに応じて、24時間訪問看護の提供が可 能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家に提供している こと。

オ 当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関において、緊急時に 居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称 等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。 ただし、当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関のいずれも 病床を有しない場合には、別の保険医療機関(許可病床数が200床以上の病院を含む。)と の連携により、緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保 し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。

カ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関又は訪問看護ステーションと連携す る場合には、緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者 の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情報を文書(電子媒体を含 む。)により随時提供していること。 なお、当該在宅支援連携体制を構築する保険医療機関間において、診療を行う患者の診 療情報の共有を図るため、月1回以上の定期的なカンファレンスを実施すること。

キ 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。

ク 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者 と連携していること。

ケ 年に1回、在宅看取り数等を別添2の様式11の3を用いて、地方厚生(支)局長に報告 していること。また、当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関の実績を含めた 在宅看取り数等を、別途、別添2の様式11の4を用いて、地方厚生(支)局長に報告して いること。なお、報告に当たっては、当該連携体制を構築する複数の保険医療機関のうち、 1つの保険医療機関が取りまとめて報告することで差し支えない。

コ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、過去1年間の緊急の往診 の実績を5件以上有すること。 なお、緊急の往診とは、区分番号「C000」の注1に規定する緊急又は夜間若しくは 深夜に行う往診のことをいう。

サ 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、過去1年間の在宅におけ る看取りの実績を2件以上を有していること。

(3) 以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保し ていること。

ア 当該診療所において、24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ指定すると ともに、当該担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等、緊急時の注意 事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対して説明の上、文書により提供 していること。なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間 帯ごとの担当者及び当該担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号等を文書上に明示する こと。

イ 当該診療所において、又は別の保険医療機関の保険医との連携により、患家の求めに応 じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家 に提供していること。

ウ 当該診療所において、又は別の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等 との連携により、患家の求めに応じて、当該診療所の保険医の指示に基づき、24時間訪問 看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家 に提供していること。

エ 当該診療所において、又は別の保険医療機関との連携により、緊急時に居宅において療 養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ 地方厚生(支)局長に届け出ていること。

オ 他の保険医療機関又は訪問看護ステーションと連携する場合には、連携する保険医療機 関又は訪問看護ステーションにおいて緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家 の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情 報を連携保険医療機関等に文書(電子媒体を含む。)により随時提供していること。

カ 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。

キ 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者 と連携していること。

ク 年に1回、在宅看取り数等を別添2の様式11の3を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。

 

 つまり、在宅療養支援診療所は緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保している診療所で、
 1は単独で施設要件を満たす診療所
 2は複数の医療機関と連携して施設要件を満たす診療所
 3は施設要件を満たさない診療所
ということになります。

 この情報を参考にしながら、候補の診療所を探すという方法が近道でしょう。また、在宅療養支援診療所以外にも、訪問診療を提供している診療所もあります。

 ここでできるのは、診療所のリストアップまで。実際にはさらに、患者本人の病状や地域性、相性なども考慮しながら、医師を探していく必要があるでしょう。

 

 こちらもどうぞ。

www.bycomet.tokyo

 

*1:ここでは急病時の往診ではなく、医療機関への通院が難しくなった患者に対する、自宅等での定期的な診療のことです。

*2:http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/6-2-1.pdf

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