地域医療日誌 by COMET

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ジスロマックで死亡増加の懸念

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  抗菌薬のアジスロマイシンを投与された患者に心血管死亡が多い、というコホート研究が米国で発表されています。  よく使われることのある抗菌薬ですので、目を通しておきます。
Ray WA, Murray KT, Hall K, Arbogast PG, Stein CM. Azithromycin and the risk of cardiovascular death. N Engl J Med. 2012 May 17;366(20):1881-90. doi: 10.1056/NEJMoa1003833. PubMed PMID: 22591294; PubMed Central PMCID: PMC3374857.
P▶ 1992年から2006年に抗菌薬投与が必要な30~74歳の患者のうち
E▶ アジスロマイシンを処方された患者は
C▶ 抗菌薬なし、または他の抗菌薬(アモキシシリン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン)を投与された患者(Propensity Scoreによるマッチング)に比べて
O▶ 心血管死亡・総死亡が多いか
T▶ 予後、コホート研究 
《結果》※※
心血管死亡(投与5日以内)
抗菌薬なし
41/1,391,180処方 29.8/100万処方 ハザード比 1
アモキシシリン
42/1,348,672処方 31.5/100万処方 ハザード比 0.95 (0.55–1.63)
アジスロマイシン
29/347,795処方 85.2/100万処方 ハザード比 2.88 (1.79–4.63) 
総死亡(投与5日以内)
抗菌薬なし
79/1,391,180処方 57.4/100万処方 ハザード比 1
アモキシシリン
70/1,348,672処方 52.6/100万処方 ハザード比 0.86 (0.58–1.28)
アジスロマイシン
36/347,795処方 105.9/100万処方 ハザード比  1.85 (1.25–2.75)

投与5日以内の心血管死亡が2.88倍

  抗菌薬なしやアモキシシリンと比較して、アジスロマイシンでは心血管死亡・総死亡ともに多い、という結果になっています。

  論文のfigureをご覧ください。投与開始3日目まではそれほど違いがありませんが、投与開始4,5日目に死亡が急増しているようにみえます。6日目以降はは抗菌薬なしと同等かむしろ少なくなっています。

  論文ではアジスロマイシンは5日間投与が基本となっているようですが、日本では3日投与がほとんどではないかと思います。3日間投与ではどうなっているのか、日本のデータも知りたいですが・・・。処方には十分な注意が必要かもしれません。

※記事内容は論文を紹介するものであり、一定の学術的な見解や治療指針を示すものではありません。詳細は原著論文をご参照ください。

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