地域医療日誌 by COMET

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初期臨床研修の修了基準

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  現行の医師臨床研修制度では、どのような基準で修了評価が行われているか、ご存知でしょうか。医道審議会の「医師の臨床研修における修了等の基準に関する提言」に基づいて行われていますので、確認しておきましょう。
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医師の臨床研修における修了等の基準に関する提言

5 臨床研修の修了基準

5- 1 研修実施期間の評価

研修医は、2年間の研修期間について、以下に定める休止期間の上限を減じた日数以上の研修を実施しなければ修了と認められるべきではない。

(1 )休止の理由
研修休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児、その他正当な理由(研修プログラムで定められた年次休暇を含む)とするべきである。

(2 )必要履修期間等についての基準
研修期間(2年間)を通じた休止期間の上限は90日(研修機関(施設)において定める休日は含めない)とするべきである。
各研修分野に求められている必要履修期間を満たしていない場合は、選択科目の期間を利用する等により、あらかじめ定められた臨床研修期間内に各研修分野の必要履修期間を満たすよう努めるべきである。

(3 )休止期間の上限を超える場合の取扱い
研修期間終了時に当該研修医の研修の休止期間が90日を超える場合には未修了とするべきである。この場合、原則として引き続き同一の研修プログラムで研修を行い、90日を超えた日数分以上の日数の研修を行うことが必要である。
また、基本研修科目又は必修科目で必要履修期間を満たしていない場合にも、未修了として取扱い、原則として引き続き同一の研修プログラムで当該研修医の研修を行い、不足する期間以上の期間の研修を行うことが必要である。

(4 )その他
プログラム責任者は、研修休止の理由の正当性を判定し、履修期間の把握を行うべきである。研修医が修了基準を満たさなくなる恐れがある場合には、事前に研修管理委員会に報告・相談するなどして、対策を講じ、当該研修医があらかじめ定められた臨床研修期間内に研修を修了できるように努めるべきである。

5- 2 臨床研修の到達目標(臨床医としての適性を除く)の達成度の評価

研修の達成度の評価においては、あらかじめ定められた研修期間を通じ、各到達目標について達成したか否かの評価を行い、少なくともすべての必修項目について目標を達成しなければ、修了として認めるべきではない。
個々の到達目標については、研修医が医療の安全を確保し、かつ、患者に不安を与えずに行うことができる場合に当該項目を達成したと考えるべきである。

5- 3 臨床医としての適性の評価

管理者は、研修医が以下に定める各項目に該当する場合は修了と認めるべきではない。
なお、臨床医としての適性の評価は非常に困難であり、極めて慎重な検討が必要である。原則として、当該研修医が最初に臨床研修を行った臨床研修病院においては、その程度が著しい場合を除き臨床医としての適性の判断を行うことは困難である。少なくとも複数の臨床研修病院における臨床研修を経た後に評価を行うことが望ましい。

(1 )安心、安全な医療の提供ができない場合
医療安全の確保が危ぶまれる、あるいは患者との意志疎通に欠け不安感を与える場合等には、まず、指導医が中心となって、当該研修医が患者に被害を及ぼさないよう十分注意しながら、指導・教育すべきである。十分な指導にも関わらず、改善せず、患者に被害を及ぼす恐れがある場合には、未修了、中断の判断もやむを得ないものとする。
一般常識を逸脱する、就業規則を遵守できない、チーム医療を乱す等の問題に関しては、まず当該臨床研修病院において、十分指導・教育すべきである。原則としてあらかじめ定められた臨床研修期間を通して指導・教育し、それでもなお、医療の適切な遂行に支障を来す場合には、未修了もしくは中断とすることもやむを得ないものとする。
また、重大な傷病によって適切な診療行為が行えず医療安全の確保が危ぶまれる、あるいは患者に不安感を与える等の場合にも未修了、中断   の判断もやむを得ない。 なお、傷病又はそれに起因する障害等により当該臨床研修病院では研修不可能であるが、それを補完・支援する環境が整っている他の臨床研修病院では研修可能な場合には、管理者は、当該研修医が中断をして病院を移ることを可能とすべきである。

(2 )法令・規則が遵守できない者
医道審議会の処分対象となる者の場合には、「行政処分を受けた医師に対する再教育に関する検討会」の議論に基づく再教育を行うことになる。再教育にも関わらず改善せず、患者に被害を及ぼす恐れがある場合には、未修了、中断の判断もやむを得ないものとする。
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  現行の制度では、研修期間が満たされているか(最高90日までの休止期間が認められている)、到達目標に到達しているか、医師としての適性があるか、によって評価されています。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/06/s0608-12.html  この評価は所属する病院の研修管理委員会が認定すればよいことになっており、外部の評価を受け入れることは基本的に必要ないしくみになっています。

  どの程度の経験をしたかという基準はありますが、技術の「質」を評価する評価方法は導入されていません。

  初期臨床研修制度は、質の高い医師を育成するための制度ではなく、最低限度を規定した制度となっているのです。

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