閉経の語り

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  「そろそろ生理が来なくなって・・・ついに先月止まったんです。」

  外来でそんな場面がありました。ご自分の症状がそのせい(更年期障害)ではないか、ということで話されたのですが、閉経は50歳前後の女性が経験する頻度の高い健康問題のひとつでしょう。

  その方の話し方や表情から、少し寂しそうな印象を受けました。

  男性にとっては、月経の経験もないのに、閉経の経験とはいったいどんな感覚なのか、どういった意味づけがなされるものなのか、ちょっと想像がつきません。とても寂しいことなのか、それともひとつの発達課題としてとらえられるものなのか。

  「病いの語り」(illness narratives)はよく語られることですが、閉経の語りとなると、むしろ健康問題の範疇には入らないのかもしれません。文学や芸術の領域でしょうか。

  Googleは便利ですね。「閉経の語り」で検索してみたところ、なんと研究されている方がおられました。論文がPDF公開されています!
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田仲由佳. 中年期女性における更年期症状と閉経に対する意識の実態. 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要 2009;3(1):107-113.
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007337289
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81001691.pdf [PDF]

中年期女性の閉経に対する否定的意識は全体的に低く,多くの女性はライフステージの中の自然な一段階として閉経をとらえていることがうかがえた。肯定的意識については,"ほっとする""解放であると感じる"など閉経が持つ"解放"の側面に同意する者が比較的多かったのに対し,閉経を人生の転換点として積極的に評価している者は少数であることが示された。
(一部抜粋)
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閉経は生理からの解放

  「ほっとする」「解放された」という感覚なんですね。なるほど。

  調査結果では、閉経したことはとてもつらいことだと思う:4%、寂しいできごとである:27%と、予想以上に否定的意識は少ないんですね。勉強になりました。


  ICPC-2にはこんな症状にもコードがあります。「閉経期の症状、愁訴」はX11です。

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