臨床医は両方の世界の間にある

 
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  ブログ「地域医療の方法」から。
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地域医療の方法
clinician×clinician

  臨床医とはなにをする者か。Googleのキーワード検索で大方の診断ができてしまうこの時代、ましてガイドラインに準拠した治療をするのであれば、臨床医の仕事はそこにはない。ではどこに?

  診断は、普通言語の世界の物語を医学の言葉に翻訳しmedical worldの物語(解剖×病理)に変換すること。そして治療はmedical worldの力を普通言語のリアルな世界の力へ翻訳・変換するということ。つまり翻訳者として、臨床医は両方の世界の間にあるのだ。

  通訳者としての臨床医。そして通訳者の評価が、正確な翻訳が命であるにしても、翻訳されない或いは翻訳できないその行間への身の入れ方や身振りでなされるように、臨床医の評価もなされるだろう。

  ある世界の間に身を置くということはその当の本人の中にも世界が2つできあがること。ゆれる、とまどう、覚悟する。この不思議な境界が臨床医の住み処なのだということにみんな気づいているだろうか。危険な、けれども魅惑的な世界だ。気づかなければ幸いである。彼は畏れないだろうから。気づいた者は幸いである。彼は不思議な世界をみるだろうから。
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(一部抜粋)

科学性を追求しても臨床医にはならない

  臨床医は患者と私の間で、行きつ戻りつ、あいまいなものに向き合い、耐え、行き交っているものでしょう。専門性や科学性という確固たる後ろ盾があるわけではありませんし、それを行使することが臨床医ならではの仕事だとは思いません。科学性を追求しても、臨床医にはなれないのです。

  臨床医の仕事は何か。そして、どのような臨床医が求められるのか。考え続けたいです。

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