病院にいるときは病気を治すことしか考えていなかった

 
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  つづいて、中日新聞から。
  滋賀県米原市の「地域包括ケアセンターいぶき」所長の畑野さんが取り上げられています。
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  滋賀県米原市の「地域包括ケアセンターいぶき」所長の畑野は「一人では何もできなかった」と十七年間の活動を振り返る。車で一時間かかる北部の伊吹山近くには限界集落も点在する。老老介護も高齢者の一人暮らしも当たり前。「みんながちょっとずつ苦労するから温かい地域ができる」

  畑野は二十八歳で同市北部の伊吹診療所に。循環器専門だったが「丸ごと『人』を診たい」と診療所を選んだ。当初は戸惑った。子どもに発疹(ほっしん)ができて診療所に来た母親から「先生、なんでしょう」と聞かれ、「なんでしょうね」と首をかしげると、隣の看護師が「それ、水ぼうそうですよ」。最初の一年間は「ごめんなさい」の連続だった。

  診療所に赴任してすぐ、七十代の膵臓(すいぞう)がんの男性を自宅でみとった。孫の一人は男性の右手を、もう一人が左手をにぎり何時間も放さなかった。「子どもは死んでいくお年寄りから、命のつながりを学んでいた」

往診先からは二十四時間、畑野らの携帯電話につながる。それで安心するのか連絡はほとんどない。患者も家族も医師もスタッフも「お互いさま」の信頼感でつながる。

  前堀八三郎(91)、ひさを(92)夫妻は二人暮らし。ともに脚と耳が不自由だが一緒にご飯を作り、はいずり回りながら畑仕事も。二人が動いた後の土はつるつるになり、陽光で輝く。そんな姿を見つめて、研修二カ月目、東京からきた鈴木良典(27)はこう話す。「病院にいるときは病気を治すことしか考えていなかった。往診先にはいろんな暮らしがあり、生きる上で何が大事か気付かされる」=敬称略(鈴木久美子)
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(一部省略・改変)

  施設のホームページは伊吹山の雪景色になっています。
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ケアセンターいぶきHP
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