抗ウイルス薬で合併症は防げるか

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 WHOでも紹介されていたインフルエンザの抗ウイルス薬に関するメタ分析です。無料で入手可能です。
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Prescription of anti-influenza drugs for healthy adults: a systematic review and meta-analysis.
Burch J, Corbett M, Stock C, Nicholson K, Elliot AJ, Duffy S, Westwood M, Palmer S, Stewart L.
Lancet Infect Dis. 2009 Sep;9(9):537-45. Epub 2009 Aug 7.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19665930

■インフルエンザを発症した成人に
■抗インフルエンザ薬を投与すると
■プラセボと比較して
■症状改善までの期間は短くなるか、合併症は減るか
■メタ分析

■結果
症状改善までの期間、健康な成人では
zanamivir 0.57日、95%信頼区間-1.07~-0.08(n=2701)
oseltamivir 0.55日、95%信頼区間-0.96~-0.14(n=1410)
リスクのある人(小児、高齢者、COPDなど)
zanamivir 0.98日、95%信頼区間-1.84~-0.11(n=1252)
oseltamivir 0.74日、95%信頼区間-1.51~0.02(n=1472)
合併症
情報不足のため検証できず。
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 UKからの論文ですが、緊急時にはすぐメタ分析を行い、現時点での最良のエビデンスを用いて判断しようとする姿勢、すぐに公表する姿勢は、わが国も見習うべきではないでしょうか。
 2001年以前のものはすでに報告があるため省略し、2001年から2007年までの論文を検索されていました。

合併症予防効果については結論が出ていない

 合併症については、いくつかランダム化比較試験があるものの、症例数が少ないため、合併症予防効果があるかどうかについて結論を出すことはできない、とのことでした。
 Zanamivirについては入院、肺炎発症、抗生剤使用をアウトカムにしたランダム化比較試験がそれぞれありますが、どれも有意差が出ていません。Oseltamivirについても合併症全般、入院を必要とする合併症、肺炎などでのランダム化比較試験では有意差が出ていませんが、イベント数が一桁のものばかりで、十分な検証はできていません。
 さらなる研究が待たれます。 

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