医療のコトバ、司法のコトバ(3) 判例に基づく医療

 
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 防衛医療(defensive medicine)、判例に基づく医療と呼ばれることもあるようです。訴訟リスクが医療現場に大きな影響力を持ってきていることは間違いなさそうです。
 Wikipediaに防衛医療の診療方針が紹介されています。
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防衛医療-Wikipedia

診療方針
 リスクのある患者の診療を回避し他院に任せたり、従来不要と考えられている検査を含めできるだけ網羅的に行う、滅多に起きない最悪の転帰を含めて承諾しないと治療しない、などの方針で行われる。
他に、
・主訴に対する処置のみを行う。
・大きな合併症が起きる可能性のある処置・手術を行わない。
・華々しい症状をきたす合併症のある薬剤を使用しない。
・緊急時であっても徹底的な問診とリスク説明同意を求め、了解された内容を逐一メモを取る。その後再確認する。
・小児は診ない。
・分娩を行わない。婦人科のみとしたり検診など分娩以外の産科医療のみを行う。
・出産時、帝王切開を行う。
・リスクの高い患者を受け入れない。リスクの高そうな救急搬送は受け入れ拒否する。特に助産院からの搬送は受けない。
・わずかでもリスクのある患者は入院させないか、極力短期入院させる。完治が見込めない患者を早期退院させる。
・頻回に通院させる。
・従来、わずかなリスクの患者に対しめったに起きない最悪の転帰についての可能性を話し、地域の基幹病院に通院させる。
・標榜科を絞り、患者層を絞る。
・態度が悪い患者、そのような人が身内にいるなどがある場合、その旨をカルテに記載しておく。また何らかの形で分かるようにしておく。
・専門医資格を持っていると過去に診察した患者から何らかの疾患が生じた際に「見落とした」と言われる可能性があるので、専門医を取らない。
・航空機内等での「医師・看護師の方はいらっしゃいませんか?」の呼びかけ(ドクターコール)には応じない。
・院外での善意の治療をしない。
・外傷は診ない。
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 明らかに防衛医療を実践したほうがメリットが大きくなっています。医師がリスクを負わなくなれば、医療費が増大する、「充分な施設および救急専門医等の人員が存在しない病院では搬送を受け入れることが困難となってきており、結果として「たらい回し」と称される事態の増加にもつながっている」、などの影響が生じると思われます。
 医師として自己防衛も必要です。防衛医療を認識し、自覚的になることも重要なことだと痛感しました。

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