地域医療日誌 by COMET

乳がん検診で52%が過剰診断

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 マンモグラフィによる乳がん検診導入の前後比較のsystematic reviewが発表されました。衝撃的です。
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Overdiagnosis in publicly organised mammography screening programmes: systematic review of incidence trends. - PubMed - NCBI

Jørgensen KJ, Gøtzsche PC.
BMJ. 2009 Jul 9;339:b2587. doi: 10.1136/bmj.b2587.

マンモグラフィによる乳がん検診導入前後での乳がん発症率を比較した研究のsystemetic review(5研究)。年代別の発症率の傾向を分析し、過剰診断(overdiagnosis)は52%(95%信頼区間46-58%)と概算された。
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 検診開始後に、検診を実施した年代の乳がん発症率増加と、その上の世代の乳がん発症率減少の傾向を比較し、その差を過剰診断と概算しているようです。
 乳がん検診をしても、その上の世代の乳がん発症率低下につながっていない、ということのようです。

 この論文のintroductionでは、過剰診断に関する多くの報告が紹介されています。
・侵襲性の肺癌にも害がないものもあり、肺がん検診では30%の過剰診断がある。
・剖検では60歳代の男性の60%に侵襲性の前立腺癌が発見されるものの、生命に関わるものは3%のみである。
・40-54歳で死亡した女性の剖検では37%に乳がんが見つかり、その半数はレントゲンで見つかる。

 検査精度の向上により、より早期の癌がみつかるようになりました。しかし、癌があるというだけでは本来治療すべきかどうかわかりません。過剰診断という害もあるということを念頭に置いて、がん検診を考えていくべきではないでしょうか。

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