地域医療日誌 by COMET

がん検診は本当に推進してよいのか?(4)

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 さらにつづきます。「がん検診に関する検討会中間報告」から、乳がんの部分を読んでみます。
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IV 乳がん検診についての検討
1 検診方法
(1)マンモグラフィによる検診
 マンモグラフィによる乳がん検診については、検診による死亡率減少効果があるという報告がなされている※2※3。
 欧米諸国においては、乳がんの罹患率が60歳以上で高く、マンモグラフィに視触診を併用していない国が多く見受けられる。
 健康な者にマンモグラフィを使用する場合には、それによる放射線被曝の不利益を考慮する必要がある。しかし、40歳以上においては、乳がんからの救命効果による利益が不利益を大きく上回ることが報告されている※10。
 これらのことから、乳がん検診におけるマンモグラフィの適応を40歳以上とし、マンモグラフィによる検診の普及を一層推進すべきである。ただし、40歳代は、乳腺密度が高く、精度が十分でないため、マンモグラフィは2方向撮影とすべきである。
(2)視触診単独による検診
 視触診単独による乳がん検診については、現在のところ、検診による乳がんの死亡率減少効果がないとする相応の根拠があるとされている※1。
(3)マンモグラフィと視触診の併用による検診
 マンモグラフィと視触診の併用による乳がん検診については、現在のところ、50歳以上においては検診による乳がんの死亡率減少効果があるとする十分な根拠がある。また40歳代においては検診による乳がんの死亡率減少効果があるとする相応の根拠がある※1。
 わが国では、乳腺密度が高い40歳代や50歳代の女性の罹患率が高いことから、マンモグラフィ単独では十分な精度が得られないため、マンモグラフィと併用して視触診を実施すべきである。
 さらに、精度管理が適切に行き届いたマンモグラフィによる検診の実施体制が整備されるまでは、その精度を補完するためにマンモグラフィと視触診を併用するのが妥当である。
 なお、マンモグラフィに併用して実施する視触診についても、その精度管理が重要であり、医師会や関係学会等が開催する研修を受けた者等の習熟した医師によって実施されなければならない。
(4)超音波による検診
 超音波検査は、乳がんの臨床において有用な検査であるが、現在のところ検診における乳がんの死亡率減少効果について根拠となる報告はなされていない※1。
 このようなことから、超音波による検診について、今後その有効性の検証を行うとともに、機器や撮影技術及び読影の技術の標準化、検診における診断基準の確立が課題である。超音波検査については、今後、マンモグラフィで病変が描出されにくい、乳腺密度が高い受診者に対しての活用を検討すべきである。

2 検診対象
(1)検診の対象年齢
 30歳代については、現在のところ、検診による乳がんの死亡率減少効果について、根拠となるような研究や報告がなされていないため、今後引き続き調査・研究を行うことが必要である。
 本検討会としては、乳がんの罹患の動向や検診による死亡率減少効果、発見率等から判断し、40歳以上とすることが妥当である。
(2)受診間隔
 わが国において、マンモグラフィと視触診の併用による検診の適正な受診間隔について、早期乳がん比率と中間期乳がん発生率から検証した結果※11、2年に1度とすることが適切である。


※1
 「新たながん検診手法の有効性の評価報告書」:財団法人日本公衆衛生協会,2001.3.(久道茂,他)
※2
 Hendrick RE, Smith RA, Rutledge JH, Smart CR. Benefit of screening mammography in women aged 40-49: a new meta-analysis of randomized controlled trials. Journal of National Cancer Institute Monograph, 22 : 87-92, 1997.
※3
 US Preventive Services Task Force. Screening for breast cancer: recommendations and rationale. Annals of Internal Medicine, 137: 344-346,2002.
※10
 「乳房撮影を用いる乳がん検診の利益と被曝によるリスク」日本乳癌検診学会誌3(3):227-236,1994.(飯沼武,他)
※11
 「早期乳癌比率と中間期乳癌発生率からみたマンモグラフィ併用検診の適正な検診間隔」日本乳癌検診学会誌 5(2): 245-248,1996.(大内憲明,他)
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 US Preventative Services Task Forceが引用されていました。乳がん検診についてはこの検討会の報告が根拠となっているようです。
 「新たながん検診手法の有効性の評価報告書」も気になりますので、調べてみます。

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