切除不能進行胃癌のQOL(4)

 
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 数少ない論文の中では、最も引用されている論文です。
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Ann Oncol. 1997 Feb;8(2):163-8.
Randomized comparison between chemotherapy plus best supportive care with best supportive care in advanced gastric cancer.
Glimelius B, Ekström K, Hoffman K, Graf W, Sjödén PO, Haglund U, Svensson C, Enander LK, Linné T, Sellström H, Heuman R.


■進行胃癌の人に
■緩和ケアに加えて化学療法(ELFまたはFLv)を行うと
■緩和ケアのみと比べて
■QOLは高くなるか(EORTC-QLQ-C30)
■治療、ランダム化比較試験

■結果
61人の進行胃癌患者を対象。
生存期間(中央値)は化学療法群8か月、緩和ケア群5か月であったが、有意差はなかった。
4か月での良好なQOLであったのは、化学療法群では45%、緩和ケア群では20%であった。
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 ITT解析されていますが、盲検化はされていないようでした。評価をする人がどちらの治療かわかっていると、正当な評価がなされなくなる恐れがあります。また、30人の緩和ケア群のうち、最終的には12人が化学療法を受けており、結果がゆがめられている可能性にも注意が必要です。
 さらに、アウトカムはQOLについては高いQOLを保っているものまたは改善しているもの、となっていますが、化学療法群では治療開始時の嘔吐が多くみられており、その後改善しているものが多くみられます。また、4か月の時点でのQOLを評価していますが、この時点では化学療法群19人、緩和ケア群11人となっており、死亡や調査ができないなどの理由での脱落が多くなっていることにも注意が必要です。
 数少ないQOLの研究のひとつですが、まだ検証が必要ではないでしょうか。

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