地域医療日誌 by COMET

アルブミンではなく患者を治せ

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 低栄養のため低アルブミン血症となり、全身性浮腫がみられる患者さん。ショックではないものの血圧低下もみられます。「アルブミン製剤を投与したほうが浮腫の改善が早いのでは」と研修医。有名なあの論文を読んでみることにしました。
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BMJ. 1998 Jul 25;317(7153):235-40.
Human albumin administration in critically ill patients: systematic review of randomised controlled trials.
Cochrane Injuries Group Albumin Reviewers.
■循環血液量減少、熱傷、低アルブミン血症で重篤な患者に対して
■アルブミン製剤を投与すると
■投与なしまたは膠質液投与と比較して
■総死亡率は減るか
■治療、システマティックレビュー

■結果
30のランダム化比較試験(n=1419人)の統合
相対危険は
 循環血液量減少 1.46 (95%信頼区間 0.97 to 2.22)
 熱傷 2.40 (95%信頼区間1.11 to 5.19)
 低アルブミン血症 1.69 (95%信頼区間1.07 to 2.67)
統合すると、
 アルブミン投与により1.68倍(95%信頼区間1.26 to 2.23) 総死亡が増える。
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 17人にアルブミン製剤を投与すると1人死亡が増えるという結果です。血中のアルブミンを補正すると、膠質浸透圧のインバランスが解消して浮腫が減るのではないかという先入観に惑わされてはいけないようです。
 その機序としてはいくつか考察されており、アルブミン自体の抗凝固活性によりさらに出血を助長すること、投与したアルブミンは血管を透過して血管外に出るため浮腫をより助長する、などと述べられています。治療が逆効果になっていたとは驚きです。
 アルブミン製剤投与は慎重に。

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