医師研修見直し 本末転倒の場当たり策

 
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 中日新聞の社説から。
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医師研修見直し 本末転倒の場当たり策

 厚生労働、文部科学両省がまとめた二〇一〇年度からの医師臨床研修制度の見直し策は、当面の医師不足対策にすり替えられ、本末転倒だ。国民がどんな医師を求めているかを忘れてはならない。
 
 見直しの背景にあるのは、出身大学に残らない研修医が増え、大学が関連病院へ交代で派遣する医師を確保できなくなったことだ。これが医師不足を深刻化させたとの不満は地方の大学ほど強い。
 研修期間を短縮し、さらに都道府県ごとに研修医の定員枠を設けて大都市への集中を減らし、大学に残る医師を増やそうというのが制度見直しの大きな狙いだ。
 地方の医師不足を考えれば理解できるが、研修制度ができたのは、これからの医師には専門に偏らず救急、地域医療、いくつもの疾患を持つ高齢者の増加などにも対応できる幅広い臨床能力を身につけてほしいという国民の要望からだった。研修医の生活保障に公費を投入するのもこのためだ。
 にもかかわらず研修期間を実質的に短縮するのは、制度を設けた本来の趣旨に反する。
 今回の見直しで、出身大学に残る研修医が増え、地域医療の水準が上がるかどうかも疑問だ。
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 優れた社説です。幅広い臨床能力を身につけるための研修期間を短縮し、大学での専門研修をしても地域医療の水準をあげることはできないはずです。まさしく本末転倒です。
 国民がどんな医療を求めているか。リーダーシップをとるべき国が目先の医師不足のために将来の医療像という大局を見失わないでいただきたいと思います。

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