加古川市民病院、現場に波紋今も (2)

 
スポンサーリンク


 加古川市民病院、現場に波紋今も (1) - 地域医療日誌 by COMETにつづきます。

 

 「新小児科医のつぶやき」には、判決文が紹介されています。 http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070731
12時ごろ
自宅で発作。家族がY病院に電話し,Y病院看護師が「心筋梗塞と思われるのですぐに来院するように」と指示。
12:15
病院に到着
12:30
この時間までに心電図検査がなされ,心電図上,II,III,aVfにST上昇が見られた。さらにZ医師は,本件患者を問診し,11時30分ころから胸痛が持続していることを聞いた。
12:39
Z医師は,心筋梗塞を強く疑い,採血オーダーを出した。Z医師は,本件患者が急性心筋梗塞であると判断したが,直ちに上記三病院の一つに転送するための行動はとらなかった。
12:45
ソリタT3 500mlを点滴してルート確保
13:03
ミリスロールを点滴開始。本件患者の血圧は150/96で,胸部圧迫痛は持続していた。
13:10
血液検査オーダーとは別途,Z医師自らトロポニン検査を実施したところ,心筋梗塞陰性との結果を得た。
13:40
血液検査の結果が出て,心筋梗塞陰性だった。
13:50
Z医師は,転送を決定し,高砂市民病院に転院の受入れを要請した。
14:15
高砂市民病院から受入了承の連絡を受けた。
14:21
救急車の出動を要請した。
14:25
救急車到着。本件患者は,内科処置室の被告病院のストレッチャーの上で点滴を受けており,意識は清明。
14:30
救急車のストレッチャーに移す際に意識喪失,呼吸不安定。ストレッチャーに移された直後に徐脳硬直が見られた。それまでモニターは装着されていなかったし,容態急変の直後にもモニターは装着されていなかった。Z医師は,これをみて,脳梗塞を合併したと疑い,救急隊にCT室に運ぶように指示したが,CT室に着く前に自発呼吸まで消失したので,蘇生のため処置室に戻した。
14:47
エピネフリン投与。援助を求められた別医師が気管挿管。
15:36
死亡確認。なお電気的除細動は一度も行われていない。
*

 搬送の決断までにやや時間がかかっているとはいえ、胸痛患者を受け入れた場合には起こりうる経過・転帰と思われます。このような判例が出てしまえば、救急受け入れを「厳選」しなければならなくなるのは当然です。全ての治療ができる病院でなくては、救急患者を受け入れられなくなります。
 このような問題を放置したまま、救急を受け入れないほうが問題、では現場は困ります。
 病院の受け入れ能力が低下したのは、これまでなんとかリスクを承知で受け入れをしていた病院が受け入れをやめてしまったことが一因となっているのではないでしょうか。

 これは救急問題だけでとどまりません。1次医療機関で患者が死亡すると、なぜ3次医療機関に搬送しなかったのかと責められるかもしれません。日本の医療に対する取り組み方への問題提起だと思います。

 やはり、これからも救急患者の受け入れは慎重に厳選せざるをえません。

Community Medicine Toolbox, Copyright © 2003, 2007-2017 地域医療ジャーナル