本態性振戦にβ遮断薬

 
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 20年来、振戦がみられているという年輩の方が受診されました。本態性振戦と思われました。高血圧もみられたため、β遮断薬を処方しました。振戦はかなりよく治まり、満足していただきました。

 本態性振戦のβ遮断薬について、調べてみました。

Neurology. 2005 Jun 28;64(12):2008-20. Epub 2005 Jun 22.
Practice parameter: therapies for essential tremor: report of the Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurology.
Zesiewicz TA, Elble R, Louis ED, Hauser RA, Sullivan KL, Dewey RB Jr, Ondo WG, Gronseth GS, Weiner WJ; Quality Standards Subcommittee of the American Academy of Neurology.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15972843

 診療ガイドラインです。
 Propranolol and primidone reduce limb tremor (Level A)とあります。β遮断薬のpropranolol(インデラルなど、60-320mg/日)は12のランダム化比較試験が実施されており、accelerometryで測定した振戦の程度が50%軽減した、とのことでした。抗てんかん薬のprimidone(プリミドン、50-1000mg/日)も同様の効果があることが4つのランダム化比較試験で証明されているようです。
 
 もうひとつ、レビューから。

Nat Clin Pract Neurol. 2006 Dec;2(12):666-78; quiz 2p following 691.
Essential tremor: emerging views of a common disorder.
Benito-León J, Louis ED.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17117170
http://www.nature.com/ncpneuro/journal/v2/n12/full/ncpneuro0347.html#t1

 こちらもいくつかのランダム化比較試験が引用されています。
 
Propranolol and primidone remain the cornerstone therapies.
Propranolol and primidone seem to be equally efficacious, although long-term tolerability of primidone might be superior to that of propranolol.

 豊富な臨床試験が行われ、ガイドラインに記載されているこれらの標準治療薬ですが、なぜか日本ではいずれも保険適応はありません。
 本態性振戦の適応はarotinolol(アルマールなど)のみとなっています。 ちなみにこちらをPubMed検索してみると、論文が4件だけ検索されてきました。

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