医療無残

 
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 週刊エコノミスト8/26特大号の特集です。

 医療費膨張の原因について、「『改革』のための医療経済学」(メディカ出版)より紹介されています。

  • 高齢化
  • 技術進歩
  • 誘発需要:医師が患者の意思とは無関係にサービスを提供してしまうこと
  • 情報の非対称
  • 国民所得の上昇

 やはり技術進歩は医療費増大の原因になっていると思います。技術革新にはコストがかかります。医療技術は確実に進歩しているのに、進歩した技術を使うかどうかについて、消費者(患者)の選択権がありません。「当然、新しい技術を希望するだろう」という期待のもとに、医療サービスが提供されてしまっています(誘発需要)。これは他のサービスではあり得ないことで、出来高払いならではの欠点です。
 たとえば、病院に新しい検査機器が導入されると、昨日までやっていなかった検査を患者に勧め、保険診療内であればそのまま実施・請求が可能となります。医療側からは技術の進歩と言えるかもしれませんが、患者側や保険側からは負担増になります。
 この負担分が相応なものかどうか、これまではあまり検証されていないのではないでしょうか。このことを知らされていない情報の非対称もまた大きな問題です。

 生物学者G・ハーディンが1968年、サイエンス誌に発表した「コモンズの悲劇」が紹介されています。

人々が限られた資源を共有している場合、各々が経済合理主義に基づいた行動をとるならば、共有資源は枯渇し、構成者全員が生活基盤を失う

 

 現代に通ずる格言です。医療費が無尽蔵に使える時代は終わりました。医療が枯渇して国民全員が生活基盤を失うことのないよう、知恵を出し合いたいものです。

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