診断までの時間・資源の節約になる

 
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 Googleアラートで、2004年の週刊医学界新聞の生坂政臣さんの記事がひっかかってきました。興味深い一節があり、ご紹介します。

「総合診療イノベーティング」再考
https://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2601dir/n2601_02.htm


 一般に診断に関する総合診療の優位性は時間や資源の節約において明らかです。あらゆる臓器専門医,特に有能な臓器専門医を受診すれば,総合医に診断できる疾患のほとんどが診断可能でしょう。しかし制限時間を設けた場合は,総合医の優位性は明白です。また臓器専門医は除外でなく,診断確定によってその専門性を最もよく発揮できますので,尤度(ゆうど)比の高い診断法を用いがちで,この検査は一般に高額です。診断に至るまでの費用対効果においても通常,総合医の方が勝っています。
 総合医が劣る点は臓器専門医にしか診断できない稀な疾患の場合ですが,その場合でも,トレーニングを受けた総合医は適切に紹介できます。むしろ異なる科で稀な疾患に遭遇した場合のたらい回しになるリスクを考えると,最初から適切な診療科を選べない場合は総合医に分がありそうです。

 総合診療のもう1つの優位性は,症状,所見が臓器専門医の「診断基準」を満たさない場合です。正常と異常の二元論モデルにおいて,診断基準により病気のカテゴリーに分類されない患者は,「正常」とみなされがちですが,検査で異常がみられなくとも症状に苦しんでいる患者は多く,総合医はこのような患者に対するケアの経験が多い。「疾患」でなく「病」の範疇に属する患者のマネジメントに関しては総合医が勝っていることが多いのです。ただこの領域については,同じく全人医療を唱える代替医療の有用性も高く,総合診療の専売特許とはいえない状況がありますが,いずれにしても総合診療の核の部分の優位性や専門性を組織内で示す必要があります。


 初診外来こそ家庭医の独壇場となりえます。診断までにかかる時間・資源は最も少なくなるはずです。その初診外来で必要となる専門性・技能を明らかにしていくこと。いまだ認知・確立されていない家庭医の分野において、その努力は怠ってはならないものです。2008年になった現在においても家庭医が解決できていないことではないかと思います。

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