ネフローゼは塞栓症に注意

 
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 全身性浮腫の方が紹介されてきました。糖尿病で治療されていましたが、数ヶ月で体重が20kg以上増加しており、胸腹水もみられました。著明な蛋白尿・低蛋白血症・脂質異常症を認め、ネフローゼ症候群を呈していました。
 偶然、ネフローゼ症候群と塞栓症のリスクについての論文を目にしました。

Circulation. 2008 Jan 15;117(2):224-30. Epub 2007 Dec 24. High absolute risks and predictors of venous and arterial thromboembolic events in patients with nephrotic syndrome: results from a large retrospective cohort study. Mahmoodi BK, ten Kate MK, Waanders F, Veeger NJ, Brouwer JL, Vogt L, Navis G, van der Meer J.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18158362

  • ネフローゼ症候群と診断された方(298名、平均42歳)を
  • 経過観察(平均10年)すると
  • 塞栓症(静脈塞栓症・動脈塞栓症)の予後因子は何か
  • 予後、後ろ向きコホート

結果
年間発症率
静脈塞栓症1.02%(95%信頼区間0.68-1.46%)
動脈塞栓症1.48%(95%信頼区間1.07-1.99%)
診断後6か月に限ると
静脈塞栓症9.85%
動脈塞栓症5.52%

静脈塞栓症の予後因子としては、P/A比(尿蛋白/血清アルブミン比)
動脈塞栓症の予後因子としては、性・年齢・高血圧・糖尿病・喫煙・塞栓の既往・GFR
が有意であった。


 診断後6か月の塞栓症のリスクが高くなることがわかりました。機序は証明されていないようですが、治療をはじめる上で、リスクの評価・予防について検討が必要ですね。

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