捻転は捻転でも

 
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 30歳代の右下腹部痛の女性が受診されました。3日前から「間欠的な」腹痛、便秘、排尿困難がみられており、いくつかの医療機関を受診されていました。便秘の診断で対症療法されていましたが、改善みられず受診されました。

 以前から右卵巣嚢腫を指摘されており、経過観察中。今回も前日に婦人科医院を受診し、腹痛の原因ではないと診断されていました。その他既往歴・手術歴はありません。

 腹部は平坦・軟で、McBurneyを中心とする圧痛はごく軽度。腹膜刺激徴候なし。Psoas signもみられませんでした。グル音は亢進していました。

 病歴・診察所見から卵巣嚢腫茎捻転より虫垂炎、腸閉塞などの消化器疾患を考え、諸検査施行。血液検査では炎症反応・特異的所見なし。腹部X線では拡張した腸管ガス像。腹部CTでは骨盤腔内に大きな嚢腫を認め、腸管・尿管が圧排されていました。


 診断は・・・傍卵管嚢胞(paratubal cyst)捻転でした。


 卵巣嚢腫茎捻転に特徴的な腹膜刺激徴候を伴わない急性発症の激烈な持続痛はみられず、消化器疾患と鑑別がつきませんでした。

 十分情報検索できていませんが、臨床婦人科産科に症例報告がありました。
http://ej.islib.jp/ejournal/1409101406.html?query=%E6%8D%BB%E8%BB%A2

 卵管捻転は稀な疾患で、生殖年齢の女性に好発する。卵管および卵巣の不可逆的な障害を避けるために迅速な診断が望ましいが、特徴的な所見に乏しいため診断はしばしば遅れる。

 注意したい鑑別疾患ですね。

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