2011年4月28日木曜日

抗ヒスタミン薬で熱性けいれん誘発される?

  今回も、インフルエンザ様症状のため受診した子供のお母さんからの質問です。鼻汁・鼻閉がみられるため、抗ヒスタミン薬を処方したところ、

「抗ヒスタミンで熱性けいれんがおこりやすくなるのでは?」

抗ヒスタミン薬の関連は証明されてない

  PubMedで確認することにしました。検索結果は以下の通り。
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#14 Search (#9) AND #13 [6]
#13 Search febrile seizures [3345]
#9 Search antihistamine [34405]
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  検索されましたのは6件のみ。残念ながら抗ヒスタミン薬と熱性けいれんの関連を関する論文は記述的研究(比較のない研究)のみでした。

  記述的研究では、因果関係を明らかにすることはできません。

  例えば、2010年に発表された日本人の論文ですが、
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Takano T, Sakaue Y, Sokoda T, Sawai C, Akabori S, Maruo Y, Taga T, Ohno M, Takeuchi Y. Seizure susceptibility due to antihistamines in febrile seizures. Pediatr Neurol. 2010 Apr;42(4):277-9. PubMed PMID: 20304332.
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  熱性けいれんをおこした患児49人について、抗ヒスタミン薬を服用していたのは23人、抗ヒスタミン薬を服用していなかったのは26人でした。

  しかし、これでは熱性けいれんをおこしていない人は調査対象には含まれず、比較することが困難です。恣意的に選択された一部の集団を調べても、抗ヒスタミン薬と熱性けいれんの関連については述べることができません。


  ついでにGoogle検索すると、こんな情報が見つかりました。
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日経メディカルオンライン 2002.01.29
【日本疫学会速報】抗アレルギー薬、テオフィリン薬の内服は熱性けいれん発症に影響せず?

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/166859.html

  2001年3月に国立小児病院アレルギー科を受診した患者、男601人、女419人のうち、熱性けいれん「あり」は76人(7.5%)

テオフィリン薬内服 オッズ比 0.63(95%信頼区間 0.37~1.05)
抗アレルギー薬内服 オッズ比 0.42(95%信頼区間 0.26~0.72)
熱性けいれんの家族歴 オッズ比 5.68(95%信頼区間 3.68~10.53)

この傾向は、家族歴を加味した解析による修正オッズ比でも同様。
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  この後ろ向き研究では、抗アレルギー薬(医薬品名については記載なし)を内服していると、熱性けいれんの危険性が0.42倍とむしろ少ない、という結果になります。

  熱性けいれんは家族歴があると5倍おこりやすい、ということでしょうか。

  残念ながらこの調査、論文になっていないようです。

実は、私も・・・

  私もこどもの頃、熱性けいれんにかかったことがあります。幸い2人のこどもは今のところけいれんをおこしていません。

  自分の経験というたったひとつの事例から・・・単純型の熱性けいれんであれば、大丈夫ですよ。

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