2012年1月18日水曜日

ポリオワクチンの麻痺発症例

  ポリオ生ワクチンを接種されて、麻痺が発症した事例について、資料が公開されていましたのでご紹介します。

厚生労働省
予防接種後副反応報告書集計報告書平成22年度分
(平成22年4月1日~平成23年3月31日)
※PDFにて全文ご覧いただけます。

  麻痺事例は1年間で4例の報告があります。資料から引用いたします。
1) 9か月女児
1回目ポリオ服用後18日目に発熱。左上肢麻痺、右上肢・左下肢筋力低下出現、報告時点で(発症約1カ月後)一部回復しているが左上肢麻痺と右肩筋力低下が残る。ウイスルは検索中。 
2) 1歳10か月男児
2回目ポリオ服用後翌日、左下肢筋力低下。座りこんでしまう、ふらつくなどの症状出現。2日目には自立歩行可能。報告時点(発症約1カ月後)で後遺症なく回復。 
3) 11か月男児
ポリオ服用後16日目発熱、下半身を動かさない。25日目弛緩性麻痺、知覚脱出、尿閉、腱反射(+)。横断性脊髄炎の疑い。報告時点(発症約1か月半)で未回復、入院中。 
4) 2歳3か月男児
1回目ポリオ服用後44日目、右足に体重をかけると転ぶ、変な歩き方などに気づく。その後、つかまり立ち不可。右下腿周囲径の低下。報告時点(発症約4か月後)麻痺のため歩行不安定。基礎疾患として脊髄空洞症。
  接種後、時間が経過してからの発症もみられ、注意が必要です。



夜泣きに効く治療はないですか?

  「夜泣きに自宅でできるような治療や対処方法はないのでしょうか?」

  外来で聞かれました。さっそくUpToDateで「夜泣き」と検索。
"夜泣き (nocturnal crying)"
  日本語検索機能では、夜尿症やらのトピックが検索されるだけで、夜泣きのトピックは検索されませんでした。流石のUpToDateも夜泣きはなかったか・・・と思いながら、「夜泣き」の用語検索すると・・・infantile colicですよね。

  ふたたびUpToDateに「infantile colic」と入力すると、ありました。日本語訳違いですね。
Turner TL, Palamountain S. Evaluation and management of colic. In: UpToDate, Basow, DS (Ed), UpToDate, Waltham, MA, 2012.  
Overview — Colic typically stops as mysteriously as it starts. Symptoms resolve in 60 percent of infants by three months of age and 80 to 90 percent of infants by four months of age [5].
<略>
Although the evidence for specific management strategies may be provided by randomized controlled trials, many of these trials have methodologic weaknesses (eg, were not adequately blinded).
<略>
The interventions may be categorized according to the available evidence as follows [7,8]:
Likely to be beneficial – whey hydrolysate milk
Likely to be beneficial but with unacceptable risks – anticholinergic drugs
Unknown effectiveness – soy milk, casein hydrolysate milk, low-lactose milk, low-allergen diet by breastfeeding mothers, sucrose, herbal tea, reduced stimulation
Unlikely to be beneficial – lactase, simethicone, increased carrying

2012年1月14日土曜日

Google検索からキュレーションの時代へ

  キュレーションに関する新刊を読みました。

 キュレーションとは、
取りまとめられ、整理されたものに、人間がその質を評価することを通じて付加価値を与えることである。
と説明されています。


キュレーション 収集し、選別し、編集し、共有する技術
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  情報量が飛躍的に膨張をつづける現在。
文明の夜明けから2003年までに作り上げられた情報量は5エクサバイト。現在は、それと同じ量の情報が2日ごとにつくられている

2012年1月9日月曜日

OPSI予防:肺炎球菌ワクチンの追加接種について

  脾臓摘出後には、肺炎球菌などによる脾臓摘出後重症感染症(OPSI)にかかる可能性があり、その死亡率は50~75%とされています。脾臓摘出をしたことがある人は、肺炎球菌ワクチンを忘れずに接種してください。

<脾臓摘出後には肺炎球菌ワクチンを!>、<OPSIを予防するために>のつづきです。

  ツイッターから「肺炎球菌ワクチンの接種は一度でよいのか?」とのご質問をいただきました。

  再度、引用したレビューにはどのように記載されているか確認してみました。尚、この論文は無料で全文ダウンロードできるようになっています。興味のある方はぜひ、ご一読ください。
Melles DC, de Marie S. Prevention of infections in hyposplenic and asplenicpatients: an update. Neth J Med. 2004 Feb;62(2):45-52. Review. PubMed PMID:15127830. 
There is no consensus on the reimmunisation policy in hyposplenic and asplenic patients. Several studies advise revaccination with PPV23, because specific antibody levels decrease in high-risk patients as well as in healthy patients for a few years after first vaccination.(36,47-51) Weintrub et al. studied the duration of antibody response of pneumococcal polysaccharide vaccine and the effect of booster immunisation in patients with sickle cell anaemia.(50) They concluded that antibody levels had fallen by three to five years after first immunisation. Mean antibody levels after booster immunisation were significantly increased (which is not what one would expect from a thymus-independent vaccine), and no serious adverse events were noted. Giebink et al. reported in splenectomised patients a linear serum antibody concentration decline by 24 to 32% from the peak antibody level during the first year after vaccination.(36) These data suggest a need for revaccination after three to four years. Rutherford et al. advised revaccination between two and six years after splenectomy.(47) Jackson et al. studied the safety of revaccination with the pneumococcal polysaccharide vaccine.(51) They demonstrated that self-limiting local injection site reactions occur more frequently following revaccination (11%) compared with first vaccination (3%). The risk of these local reactions was significantly correlated with prevaccination geometric mean antibody concentration. However, the risk of adverse events does not represent an absolute contradiction to revaccination with PPV23 for high-risk groups.(51) The USA Centres for Disease Control (CDC) and Prevention Advisory Committee on Immunisation Practices (ACIP) recommend revaccination once with PPV23 in hyposplenic and asplenic patients after five years.(34) Revaccination after three years may be considered for children with functional or anatomic asplenia, who would be aged ≤10 years at the time of revaccination. Because data are insufficient concerning the safety of pneumococcal polysaccharide vaccine when administered three or more times, revaccination following a second dose is not routinely recommended.(34)
追加接種は5年後に1回まで

OPSIを予防するために

  脾臓摘出後には、肺炎球菌などによる脾臓摘出後重症感染症(OPSI)にかかる可能性があり、その死亡率は50~75%とされています。脾臓摘出をしたことがある人は、肺炎球菌ワクチンを忘れずに接種してください。

<脾臓摘出後には肺炎球菌ワクチンを!>のつづきです。

  それでは、OPSIを予防するためには、どうしたらよいのでしょうか?調べてみました。

  PubMedで少し検索してみましたが、脾摘患者や無脾症に対して肺炎球菌ワクチンを接種するとOPSI発症が減るかどうかを検証した研究は見当たりませんでした。

  こちらのレビューが参考になると思いますので、ご紹介します。
Melles DC, de Marie S. Prevention of infections in hyposplenic and asplenicpatients: an update. Neth J Med. 2004 Feb;62(2):45-52. Review. PubMed PMID:15127830. 
Preventive strategies are very important and fall into three major categories: immunoprophylaxis, antibiotic prophylaxis and education. Studies have shown that many asplenic patients are unaware of their increased risk for serious infection and the appropriate health precautions that should be undertaken.

2012年1月8日日曜日

脾臓摘出後には肺炎球菌ワクチンを!

  脾臓摘出後には、肺炎球菌などによる脾臓摘出後重症感染症(OPSI)にかかる可能性があり、その死亡率は50~75%とされています。脾臓摘出をしたことがある人は、肺炎球菌ワクチンを忘れずに接種してください。

  脾臓摘出後に肺炎球菌による重症感染症にかかられたという方のお話を聞きました。肺炎球菌ワクチンを接種していなかったようです。予防できる疾患でもあり、とても残念なことです。

  成人の23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)は、2歳以上の脾臓摘出患者については保険適応があります。しかし、その情報が過去に手術を受けた該当者までは届いていないようです。

  脾臓摘出後におこる重症感染症は、脾臓摘出後重症感染症 overwhelming postsplenectomy infection(OPSI)と呼ばれています。

OPSIはなぜ起きるのか

  OPSIはなぜ起きるのでしょうか。宮崎大学の楠元さんの症例報告から引用させていただきます。
楠元規生他. 脾臓摘出22年後に発症したoverwhelming postsplenectomy infection. 感染症学雑誌 2009;83(3):261-265 [PDF] 
  OPSIは脾臓摘出後数日から数年を経て感染症を発症し,短期間にシ ョ ッ クやDICが激烈に進行し,50%から75%と高い死亡率が報告されている.脾臓は食菌・浄化, 特異的免疫応答,オプソニン産生を行うとされ,脾臓摘出者ではこれらの機能が失われるため,重篤な感染症を引き起こすといわれている.また,その起炎菌はS. pneumoniaeが最も多く,50~90%と報告されている.OPSIの合併頻度は脾臓摘出者の約5%と報告され,発症までの期間も5日から35年と幅広く分 布しており,常に発症がありえると考えられた.
  楠元さんらは、脾臓摘出後時間がたっていてもOPSIを発症する可能性があると、注意を喚起しています。

2012年1月7日土曜日

ホームレスは減少している

  正月にホームレス(路上生活者)の健康相談をしましたが、山谷地区でもホームレスが大幅に減ってきているとのこと。ホームレスも高齢化し、生活保護を受給される方が多くなっているとのこと。

  実際にはどのくらい減っているのでしょうか。調べてみました。
東京都福祉保健局 ホームレス対策 
ホームレスの現状
23区内のホームレス数は、平成11年度の5,800人をピークに以後漸減傾向にあります。平成22年8月調査では対前年比598人減の約1,900人となりました。


23区内のホームレスは1,900人

  23区内ではピークが5,800人ですから、約3割程度になっていることになります。全国でも約11,000人と減少傾向となっているようです。

  「ホームレス問題は、ホームレス自身の個人的要因に加え、景気の低迷、地域コミュニティの希薄化などの社会的要因が絡み合って生じたものであり、問題の解決には福祉・就労・住宅・保健・医療などの分野にわたって総合的に取り組むことが必要です。」とあります。

  各種対策が奏功しているとは思いますが、高齢化という人口動態の変化はここにも伺えるようです。

2012年1月2日月曜日

Evidence Update 2012

  雑誌の特集号の紹介です。

  2011年に発表された注目トピックの最新エビデンスがまとめられています。

薬局 2012年 01月号 [雑誌]
薬局 2012年 01月号 [雑誌]
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南山堂 (2011-12-28)

  この一冊で1年の遅れを取り戻せるかもしれません。薬剤師だけでなく、臨床医にとっても有益です。

  このような特集が毎年組まれていくことを期待したいところです。

2012年1月1日日曜日

死亡者数126万人

  厚生労働省から、人口動態統計が発表されています。
毎日jp 自然減20万人 戦後最大幅、震災も影響
  「東日本大震災で約1万6000人が死亡した影響もあり」とのことですが、年間では126万人の死亡者数です。

  昨年は119万人でしたから、かなりの増加傾向となっています。毎日3455人が亡くなっている計算です。

  死が日常化する時代は、すでに到来しているのかもしれません。

あけましておめでとうございます

  新年明けましておめでとうございます。

  昨年はたくさんの方々のご支援をいただき、新しい活動を始動させることができました。これまでの経験が徐々に結実しつつあることを実感できた一年でした。

  ブログの更新が若干滞り気味であることを反省しつつ、地域医療現場の経験と世界の臨床研究をつなげていくこと、そして医療を開かれたものにしていくこと、これからも無理なくつづけていきたいと思います。

  今年もどうぞよろしくお願いします。 
平成24年 元旦


コメント投稿、本当にありがとうございます

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